作られる歴史と蘇る思い出(「鎌足」感想その2)
大和氏~、生田氏~~♪
こんばんは。
七咲ぴえるでございます。
(生田先生の名前は「やまと」じゃなくて「ひろかず」だっていうことはちゃんと知ってるよ)(でもあの曲聴くとどうしてもこの替え歌にしたくなるのだよ)
ということで、本日は星組トップコンビ紅ゆずるさんと綺咲愛里さん(アイリーン)主演、
「鎌足-夢のまほろば、大和し美し-」の感想の続きを書かせていただきたいと思います。
その前に本日は宙組大劇場公演「オーシャンズ11」の千秋楽。
純矢ちとせさん、澄輝さやとさん、蒼羽りくさんといった新公主演や別箱ヒロイン経験のある方々を始め、
7名もの宙組生が大劇場を卒業されていきました。
宙組の皆さん、そしてスタッフの皆様、大劇場公演お疲れ様でした。
そして退団者の皆様、大劇場ご卒業おめでとうございます!
さらに明日には、もう星組の集合日がやってきますからね……。
お気楽な感想は今日のうちにアップしておこうかなと思います……。
ちなみに冒頭のデカ文字は生田先生をオタク風に呼んだのではなくて紅くんの歌う「大和し~、美し~~♪」っていう主題歌の替え歌でございます(どうでもいい)。
しかし実は未だに「大和し美し」って言葉の意味を分かっていないけど今さら聞くに聞けないの( ̄∀ ̄;)
最大の盛り上がりどころは入鹿討伐
「飛鳥夕映え」と同じく鎌足と入鹿についての物語ながら決定的に違うポイントの一つが、
「鎌足」はタイトル通り鎌足目線で描かれているため、
「乙巳の変」で入鹿が討伐されるところで物語が終わらないところ。
一幕ラストで入鹿は殺されてしまうので二幕ではほとんど出てこず、
共に入鹿を倒した中大兄皇子が権力の座に就いたその後の物語も描かれています。
「そういえば鎌足って入鹿を倒した後どうなったんだろ?」って言われてみるとよく知らなかったので、
鎌足の生涯について改めて知ることができて面白かったです(と言ってもそれも史実ではなく創作の部分も多々あるのだと思いますが)。
一方で、やっぱり鎌足の物語の盛り上がりのピークって、
入鹿を倒すところなんだな~というのも感じました。
一幕は子供時代に鎌足と入鹿が出会うところから始まって2人が道を違えていって入鹿が倒されるまでが展開していくので、
すごい引きつけられるまま一気に一幕の終わりまで進んで行くんですよね。
でもその分、二幕のストーリーは入鹿討伐というドラマティックなエピソードに比べると「その後」という印象もあって、
後半はちょっと一幕ほどの盛り上がりには欠けてしまってるような気がしたのは残念でした。
入鹿がどうして変わってしまったのか、
皇極天皇との関わりとかに基づいて描かれていたのですが、
子供時代に友情を育んでいたはずの鎌足と入鹿がどうして殺す者と殺される者という立場になってしまったのか、
そこにもっと説得力をもたせるためには、二幕の中盤くらいまで入鹿討伐を引っ張っても良かったんじゃないかなーと。
自分が男なせいか男の友情ものが好きだから、
鎌足と入鹿が友情を深めていったり道を違えたりする姿をもっとじっくり時間をかけて見たいと思ってしまうのかも知れません。
(それでも最近かなり消化不良な作品を観た直後だったので相対的に満足感は高かったですが)
しかし冷静に考えたら入鹿が殺された状況ってすごいですよね。
今で言うなら天皇陛下の見てる目の前でその息子である皇太子が総理大臣を暗殺するみたいなことでしょ……?
そりゃ大事件ですわ……。
ゲスの極み天智天皇
瀬央ゆりあさん演じる中大兄皇子、のちの天智天皇。
「あかねさす紫の花」では弟の大海人皇子の妻である額田女王を横取りしてしまう自分勝手な男ですが、
なんとこの「鎌足」でも鎌足の妻、アイリーン演じる与志子を略奪してしまいます。
観ながら思いましたよね。
お前どんだけ人妻好きやねん。
まぁね、たしかに与志子めっちゃ可愛いから欲しくなるのも分かるけどさ……。
と言いつつ、「あかねさす」で額田女王を奪ったのは純粋に額田の美しさに我慢できなくなってしまったからですが、
与志子に関しては恋心というよりも鎌足が裏切らないように人質として与志子を自分の傍に置いておくという目的が大きかったようです。
でもどっちにしても天智天皇、ヒドイ、ドイヒーですよ。
もうイメージ最悪ですよね(お母さんの皇極帝にそそのかされたっていうのもあるけど)。
でもなんやかんやで与志子を鎌足に返して、
鎌足の晩年には「藤原」の姓を与えたというのも、
やっぱり2人の間にはお互いに深い友情があったのか。
あるいはそれも都合よく作られた美談の「歴史」であって、
裏にはもっと別の思惑があったのか。
不勉強なピエールには想像すら難しいですが、
タイムマシンで過去に行けるとしたら一番行ってみたいのはこの時代かも知れません。
ところで日本史において至る所に登場する「藤原」という名前。
この鎌足が天智天皇から「藤原」という姓を賜ったのが「藤原家」の始まりだそうですが、
宝塚にもいろんな作品に藤原さんたちが登場しますよね。
一番最初に思いつくのだと「花の業平」で香寿たつきさんが演じていた藤原基経とかですかね。
あの作品は基経以外にも藤原だらけで覚えきれないほど藤原さんがたくさん出てましたが(笑)。
我らが愛月ひかるさんが演じてみたい役として話していたこともありますが、
ピエール的にはひかるちゃんの業平とノゾミーナ(星南のぞみさん)の高子とかも見たいぞ……二人とも絶対似合うぞ……っていうかそもそも二人がお似合いだぞ……!
ちなみにこれも諸説あるのかも知れませんが、
鎌足は「藤原」の姓を賜った翌日に亡くなったのだとか。
なんかこれも出来過ぎた話のようにも思えますよね~。
良く言えばそれだけ天智天皇は鎌足に感謝していたから死の直前に姓を授けたとも取れますけど、
美談として語り継ぐためにそう記されているんじゃないかという見方もできますし。
時の記念日
そういえば全然関係ないんですけどね。
6月10日って「時の記念日」っていう日らしいのですが、
これは日本で初めて作られた時計が鐘を鳴らした日に由来しているそうで、
その時計を作らせたのが天智天皇だったんですって。
で、10年くらい前に6月10日が誕生日の友達のお祝いをしたときに、
何か6月10日に関係するものをプレゼントしようと思いまして。
調べたら6月10日は「時の記念日」で、
それは天智天皇が作らせた日本初の水時計が時を告げた日に由来しているということで、
天智天皇と言ったらやっぱり蘇我入鹿だよねってことで。
イルカの目覚まし時計をプレゼントしました(笑)。
もう10年近く前だから記憶があやふやだけどこんな感じのやつだった気がするなぁ。
喜んでくれたんですが後でその友達から、
「この目覚まし、音が小さすぎて起きれない」
と言われました(笑)。
近付く紅リーンの退団公演
と、泣いても笑っても、
今度は紅くんとアイリーンの退団公演も近付いています。
プレお披露目公演の初日オブ初日から追いかけ続けて来たお二人の退団公演。
退団前最後の別箱公演はコンサート系の公演になることも多いですが、
紅くんとアイリーンに関しては最後までがっつりお芝居が観れて良かったなと思っております。
コンサートだったらそれはまたそれですごく楽しんでたと思いますが、
大劇場公演5作という、長いとも短いとも言えないトップ在任期間、
「この二人が演じるいろんな役が見たい」と感じさせてくれるお二人だったので、
一作品でも多くお二人のお芝居が観れて本当に嬉しいです。
何よりこの作品、見せ場を与えられるべき主要メンバーがそれぞれしっかり活躍していて、
二幕ものだから時間があるというのもありますが歌のソロとかもそれぞれあって、
主要メンバーどなたのファンであっても満足感を得られる作品だったのではないでしょうか。
そういう意味でも、「この公演にあの人がいたら……」と何度も考えてしまうくらい、
充実感に満ちた作品だったように今振り返っても感じております。
そして、これこそ座付き作家のお手本のような作品なんじゃないかなと。
気付けば紅リーンのトップ時代の公演は大劇場公演はもちろん、
プレお披露目の国際フォーラムに始まり梅芸や中日と、別箱公演も全てコンプリートしちゃいました(/ω\)(台湾までは行けなかったけど)
特に思い出深いのは梅芸の「オシャンティ」かなぁ……。
ムケーシュの部屋を見るために初めて夜行バスで弾丸遠征した思い出の公演ですしね。
こないだ自分のブログを開いてたときに「オシャンティ」の初日の感想記事が関連記事みたいなやつに出て来まして。
七海ムケーシュの「バラ色の人生」を初日に聴いたときの興奮や、
「今回ばかりは七海ひろきの歌を聴くために観に行って欲しい」と熱く語っていた自分を振り返って、
何だか夢中で駆け抜けた二年前の夏を思い出して一人でしんみりしてしまいました。
年を取るといつの時代も歴史は意図的に作られている部分があるものなのかも知れないと分かるようになりますが、
自分の思い出だけは大切にしたいなと感じ入る今日この頃です。
星組が全員揃う大劇場公演を観たらさらにお兄様がもういないという現実を感じてしまいそうな気もしますが、
紅くんとアイリーンの退団を見届けるために今回も大劇場遠征も企てております。
星組の一つの時代を彩ったお二人の退団公演も、
すばらしいものになりますように!
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