鯖は食べるの?食べないの?どっちなの??問題(「ANOTHER WORLD/Killer Rouge」初日。)
仕事帰り。
僕はいつものスーパーで鯖を見ていた。
いや、実際は鯖ではなくて、鯖の向こうにある何かを見ていたのかも知れない。
もう鯖の刺身は一つしか残っていなくて、
まるで運命の相手が僕を待っていたかのように鯖は輝いて見えた。
見つめ合ってるみたいに奇妙な間の後で、
空っぽのカゴに入れようと鯖に手を伸ばすと、同時に細い手が視界に入ってきた。
「あっ」
思わず同時に声が出て隣を見ると、
お世辞にも若々しいとは言えない、けれどおそらく年相応であろうおじいさんが気まずそうに笑っていた。
「すいません、それ、買いますか?」
「へ?」
気まずそうに訊かれて、僕は間の抜けた返事をしてしまう。
「あ、いや」
「今日は、鯖を買いたくてね」
まさか、と思った。
この町にも、僕と同じ思考の人がいてもおかしくはないとは思っていた。
けれど、今この店にいる何十人もの人の中で、
もしかしたらこのおじいさんは一番その可能性からは遠い人のように見えるのに。
「あの、もしかして」と僕は思い切って口を開く。
「え?」
「もしかして、七海くん……いや、七海ひろきさんの……?」
その名前を聞くと、突然おじいさんの顔が明るくなった。
「わぁ」とおじいさんは一瞬子どものような笑顔を浮かべて、
「なんだ、お宅もかい?」と聞き返す。
「あ、はい、実は。でもまさか、おじいさんみたいな人が、ちょっと意外で。まぁ、僕も人のことは言えないと思いますけど」
するとおじいさんは笑いながら、「いや、違うんだよ」と首を振った。
「妻がね、その七海って人が大好きで。カイちゃん、って言うんだっけ?」
ああ、そういうことか。
「そうなんですね、実は……僕もなんです」
ちょっと照れながら答えると、おじいさんは淋しそうに笑った。
何だろう、懐かしい感覚だった。
まるで、自分の死んだじいちゃんに微笑みかけられたような。
「今日は、その人の出る舞台の初日なんだろう?」
「そうなんですよ。落語が基になってる話なんですけど、その七海さんの役が、原作だと鯖を食べて当たって死んじゃって、そのままあの世を旅するっていう役らしくて」
「ああ、そうらしいね。もう始まったのかな?」
「ええ、もう終わってる頃だと思いますけど」
僕は店内の時計を探しながら答える。
「妻はね、本当は鯖が苦手だったんだよ」
「え、そうなんですか?」
「うん。鯖だけじゃなくて、昔から光り物はほとんど手を付けなくて」
「そっか、じゃあ、ちょっと残念ですね」
「でも、『カイちゃんが鯖を食べるなら私も久しぶりに鯖を食べてみるわ』なんて言い出してね」
そういえば、Twitterにもそんな人がいたな、と思い出した。
年が違っても、考えることは同じなのかも知れない。
「『あ~、やっぱり無理!』って言いながら、やけに嬉しそうな顔して食べるんだよ」
つられて笑ってみるけれど、正直他人事でもない。
「何十年も苦手だったものを食べたいって言いだすなんて、まったく僕には分からないんだけど。『初日にはまた食べなきゃ』なんて言っててさ」
「そうなんですね」
「楽しみにしてたんだけどねぇ」
おじいさんは淋しそうに、鯖に目を落とした。
「……え?」
「去年から、ずっと入院してたんだけどね。なんとか今日までは、って言ってたんだけどなぁ」
「そんな……」
視線の先の鯖が、少し滲んで見えた。
「だから、今日は鯖の刺身をあげてやりたくてね。でも、お宅もそのカイちゃんが好きで買いに来たんだったら、同じカイちゃんのファンの人に譲るなら妻も許してくれるかな」
笑って立ち去ろうとしたおじいさんを、僕は慌てて引き留める。
「いや、これは、その、奥さんに食べさせてあげてください!」
「え?」
「僕は、明日でも、あさってでも、いつでも食べれますから! でも、今日は奥さんに食べさせてあげてください!」
「でも……いいのかい?」
返事の代わりに、僕は最後の鯖をおじいさんのカゴに入れた。
「そうかい、ありがとう」
「いえ、全然、ホントに」
「いや、本当にありがとう。きっと妻も喜ぶよ」
おじさんは手を振って立ち去ろうとしたが、すぐにまた僕を振り返った。
「カイちゃんがあの世を旅する役なら、妻も向こうでカイちゃんに会えたかも知れないね」
「あははは! そうですね、それはいい!」
小さな背中を見送りながら、この世に鯖があって良かった、と思った。
心は満たされた気がするけれど、泣いた後は、やっぱりお腹が空くらしい。
っていう妄想をしながら今日一日過ごしてました(ごめんなさい)。
「ANOTHER WORLD/Killer Rouge」初日
こんばんは。
宝塚男子ピエールです。
「この世に鯖があって良かった」って書きながらさすがに自分でもちょっと何言ってるか分かりませんでした。
ということで本日は星組大劇場公演、
「ANOTHER WORLD/Killer Rouge」の初日でございます!
紅ゆずるさん、綺咲愛里さんを中心とした出演者の皆様、
スタッフの皆様、そしてこの公演で初舞台を踏んだ104期生の皆様、おめでとうございます!(≧∀≦)ノシ
少なからず不安も期待も入り混じった中で迎えた初日。
Twitterに流れてきた初日のレポをドキドキ読みながら帰ってまいりましたが。
めっちゃ面白いらしいじゃないですか!!(≧∀≦)
いや~、良かった良かった良かったよ~~( ;∀;)
もちろん初日フィーバーもあるかも知れないので真価が問われるのはこれからかも知れませんが。
噂では結構ブラックジョークなネタも飛び出してるとか……、
しかしそれもご本人が客席にいらっしゃるから公認のネタということで安心して笑えるという(笑)。
そして一つ気になっていたこと。
それはそう、我らが「北関東の恋人」こと七海ひろきさんについて。
昨日から、いや、もうずっと前から気になって気になって。
特にゆうべはいろいろあって胃が痛いやら気持ち悪いやらで眠れない夜を過ごしましたが、
とにかく気になって気になって気になっていたこと。
そう。
七海くんは鯖を食べるの食べないのどっちなの!?
七海くんの演じる喜六は落語の原作では鯖に当たって死んでしまう阿呆な男ということで。
生鯖に。
焼き鯖に。
揚げ鯖と。
ありとあらゆる鯖を食べ続けた我々北関東の恋人の恋人たち。
これだけ鯖を食べたのに肝心の喜六さんが鯖と無関係だったらどないしまひょ!?
と気になって気になって迎えた本日!
結果発表~~~~!!
喜六さんは鯖を~~~~!!
食べて死んだ設定だけど劇中で食べるシーンは無い。
という解釈で合ってますでしょうか(笑)?
でも初日をご覧になったピエ茶幹事のみゅんさんからの情報によると、
七海くんは今回出番も多くて大活躍だったそうで!!ヽ(;▽;)ノ
思えば「こうもり/THE ENTERTAINER!」の頃。
大劇場でご覧になった、みゅんさんの相棒のプリ&なつさんから、
「初めまして。カイちゃんファン、試練です。以上」
という初めてのコメントが来てから早2年……。
あれから2年の月日を経て、一歩一歩着実にステップアップしてきた七海くん。
七海くんファンになって、本当に良かったーーーー!!ヽ(;▽;)ノ
ちなみにピエール、初日の成功と七海くんの活躍を祈って、
昨日は上にも上げた鯖のお寿司を食べてたんですけどね。
鯖は昨日食べたから、今日はこちらを食べようと。
紅虎餃子房の「紅麻辣担々麺」でございます!
紅くんの名前にかけて、
紅くんのお披露目の初日にもこちらを食していたんですよね~( ̄∀ ̄)
それにほら、今回は「キラールージュ」だし。
お芝居だけでなくショーでの活躍も祈らないとね(≧∀≦)
でも食べ終わって帰るとき、
「果たして自分は今日、鯖を食べずに終わっていいのだろうか?」と自分の行いを省み始めたピエール。
でもね、ピエールがいつも行くスーパー、
生の鯖はお寿司しかなくて刺身は置いてないのですよ。
しかしラーメン食べた後だから寿司はちと重い……刺身だけ食べたい……。
なので本日は!
駅の反対側のスーパーに足をのばして鯖のお刺身を買ってまいりました~ヾ(* ̄∀ ̄*)ノ
しかもね!?
値段も380円!
(フォントサイズも38)
でも税込みにすると410円だったんだ……消費税のやろう……( ;∀;)
最近、いろいろ気を遣ってたら疲れてしまって「人間関係めんどくせっ!!」ってなってたんですが、
七海くんが大活躍と聞いて俄然お肌の調子もよくなってきましたよ!
カイちゃん大好きだったおばあさんにも見せてあげたかったなぁ(´;ω;`)(架空の人物です)
ということでまずはタカラヅカニュースで放送される初日映像を楽しみに待ちたいと思います!
とにもかくにも、初日おめでとうございます!☆(=´∀`)人(´∀`=)☆
早く観たいよ~~~~!!(≧∀≦)
七海ひろきのお兄鯖のファンになれて幸せですーーーー!!o(≧∇≦o)(o≧∇≦)o
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