みんな欠点はあるけれど、それ以上の魅力がある人たちなんです(「ANOTHER WORLD」感想その2)。
こんばんは。
宝塚男子ピエールです。
ということで本日は、紅ゆずるさんと綺咲愛里さん(アイリーン)コンビ率いる星組公演、
「ANOTHER WORLD」の感想の続きを書かせていただきたいと思います。
前回は「美しすぎる阿呆」こと七海ひろきのお兄鯖についての話が中心だったので、
今回は別の角度からの感想を書きたいなと。
今回もネタバレ含んだ感想になってしまうと思いますが、
どうぞこれからご観劇の皆様は自己責任でお願い致しますm(_ _)m
突然ですが、ピエール以前、
「紅くんは誰かを必死で守ろうとする役が似合う」と書かせていただいたことがある気がするんですが。
覚えておいででしょうか……?(トート閣下と閻魔様ってどっちが偉いんでしょうね)
で、今回の「ANOTHER WORLD」。
まさしくそうじゃありませんか!?( ;∀;)
しかもですね、「オーム・シャンティ・オーム」のオームしかり、
「ベルリン、わが愛」のテオしかり、
宝塚の作品の主人公に多い「パーフェクトな男」として絶対的な力で守るんじゃなくて、
決して強くもないし社会的に権力のある立場でもないけれど、弱くても必死で誰かを守ろうとする役が似合う、
みたいなことを書いていた気がするんです。
紅くんが今回演じている康次郎を見ながら、
「ホラやっぱりーーーー!!」って終始思っておりました( ̄∇ ̄*)ゞ
喜六の阿呆っぷりが次元を超えているので隠れている気もしますが、
何気にこの作品の登場人物って結構皆さん軒並み阿呆だらけで(笑)。
その中でも康次郎もなかなかの阿呆だと思うんですよ。
そもそも事の発端が恋煩いで死んでるんですから(笑)。
でも、あの世に行ってまでアイリーン演じる恋しいお澄はんを守ろうとする姿、
本当に紅くんのキャラクターにピッタリですよね。
この「ANOTHER WORLD」という作品、
ラインアップが発表された当初の不安を払拭して大好評となっていて、
「関西人の紅ゆずるのキャラクターにピッタリ」とか、
「コメディエンヌ紅ゆずるの真骨頂とか」とか、いろいろなポイントが評価されているかと思いますが。
それらももちろんその通りだと思うんですが、
でも好評を得ている理由は決してそれだけではなくて、
自分も決して強い人間ではないのに嬢はん(お澄)を必死で守ろうとしたり、
行きずりで仲良くなった貧乏神のびんちゃん(華形ひかるさん)を何とか福の神にしてあげようとする康次郎のキャラクターが、
紅くんの人柄そのものだからここまでハマったんじゃないかと思うんですよね。
「オシャンティ」を観たときも「紅くんをますます好きになってしまう作品」と思ったんですが、
「ANOTHER WORLD」もまさにそんな作品なんじゃないかなと思います!
ちなみにピエールが初めて星組を生で観たのは湖月わたるさんのお披露目公演「王家に捧ぐ歌」だったんですが、
大劇場2作目の「1914/愛」で湖月さん演じるアリスティドが、
強烈な爆音の歌声に悶えながら地べたを這って逃げていくシーンがあったんです。
それを見たときに「トップスターでこんな体張って笑いを取れる人がいるんだ~」と、
湖月さんがいっそう大好きになった瞬間だったんですよね(笑)。
湖月さんと紅くんは全然タイプの異なる男役さんだとは思うんですが、
同じ星組のトップスターの紅くんが、奇しくも「1914」と同じ谷正純先生の作品で、
ここまで体を張って笑いを取っている姿を見られたのがすごく感慨深かったです。
僕は「☆☆にしかできない作品」という表現は、
人によっては「(誰か他の)★★にはできない」という意味に受け止められてしまったら申し訳ないのであまり使わないようにしておりまして。
(そういうつもりで言ってるわけではない人がほとんどだとは思うのですが、対面ではないコミュニケーションにおいては「どういう意味で言ったか」よりも「どういう意味で受け止められたか」が結果として残ってしまうことも多いと思うため)
けれど「ANOTHER WORLD」は紅くんが康次郎じゃなかったら、
「良くなる」とか「悪くなる」とかいう意味ではなく「かなり別の物語」になっているんじゃないかなと思いました。
もし他組のトップスターが康次郎だったら。
で、紅くんだからこそこういう作品になったのではなかろうかということを検証するために、
「各組のトップスターが康次郎だったらこんな物語になる」というのをやってみよう!と思ったんですけどね。
考えてるうちに「あれ?この企画どこかで見たことある気がするぞ?」って思ったら。
ニコライ少尉どのが既にやってました(笑)。
こういうのって二番煎じでやるとどんどん寒いことになっていくので、
ピエールの「もし康次郎が○○だったら」はさらっと書いて逃げていきたいなと( ̄∇ ̄*)ゞ
まず花組トップスター明日海りおさんが康次郎だったら。
閻魔様によって愛する嬢さんと引き裂かれてしまったこと明日海康次郎は、
紅康次郎のようにテンパって必死に助けに行こうとかせずに、
「復讐こそ我が恋……!」と静かに閻魔への復讐を決意しますよね。
で、どうにか嬢さんを見つけていっしょに逃げ出すもののあの世からの出口が見つからなくて、
「金色の冥途なんて無いんだ!」って言い争いしながら冥途の砂漠で行き倒れてバッドエンドのRAKUGO TRAGEDY。
全然笑えない( ;∀;)
次に月組トップスター珠城りょうさんが康次郎だったら。
これはもう腕力で閻魔様をやっつけておしまい(⌒∇⌒)(シンプル)
優しそうに見える人に喧嘩売ったら実はめちゃくちゃ強い柔道の有段者で返り討ちに遭うから気を付けようという教訓を閻魔様の姿を通して学べる教育番組的作品になりそうです。
続いて雪組トップスター望海風斗さん(だいもん)が康次郎だったら。
だいもん康次郎はアレですよね。
嬢さん一人助けるために地獄の鬼を片っ端からギロチンにかけますよね。
たぶん地獄を恐怖政治で支配すると思います(⌒∇⌒)
そして最後は宙組トップスター真風涼帆さん。
真風くんはめんどくさがって嬢さん助けに行かないと思います(⌒∇⌒)(失礼)
「え?だって相手あの閻魔様でしょ?勝てるわけないじゃん?(;・∀・)」
ってすごい現実的な理屈であの世行きは拒否しますよね。
で、代わりに芹香斗亜さんに行かせようとするんですけど、
とあちゃんはとあちゃんで「そんなん私もめんどくさいわ~( ̄∀ ̄)」って言うこと聞かなくて。
仕方ないので真風くんは愛月ひかるさんに行ってもらうことにして、
ひかるちゃんは「えー、ちょっと何で私なんですかぁ?( ̄∀ ̄;)」とか言いながら何やかんや行ってくれて。
でもひかるちゃんが自分の代わりに行かされたことを知らないとあちゃん。
「愛ちゃん、どこ~?(´;ω;`)」
って泣きながらひかるちゃんを捜してあの世に迷い込むとあちゃんの姿が見られるほっこりミュージカルになるでしょう(⌒∇⌒)
胸を打つ康次郎の台詞
はい。
なんかすごいふざけた話になってきているので、ちょっと真面目な話もしておかないとなと(笑)。
落語って、世の中に対する風刺とかがあるっていうじゃないですか。
日本って「風刺」っていう文化が外国に比べてあまり無いと言われているのを聞いたんですが、
今でいうネット上の誹謗中傷とかとは違う「風刺」という文化が、
昔は日本にもちゃんとあったんだろうなと思うんですが。
で、この「ANOTHER WORLD」は落語が題材になっているからか、
よくよく考えながら聞いてみると、
「風刺」に当たるのかどうかは分かりませんが世の中へ疑問を投げかけるような台詞があるような気がしまして。
記憶が曖昧な部分もあるので正確な言い回しと微妙に違うかも知れませんが、
例えば「サッカー少年」こと礼真琴さん演じる徳三郎の、
「俺を持ち上げてくれるのは嬉しいが、人さまを貶めちゃいけねぇ」みたいな台詞だったり。
他にもすごく印象的だったのが、
紅くん演じる康次郎が閻魔様に対して仲間たちがいかに素晴らしい人たちかを訴える台詞。
「みんな欠点はあるけれど、それ以上の魅力がある人たちなんです」
ピエールのご贔屓のスターたち、
決して超実力派と言われるタイプではない方々も多くて。
これまで幾度となく、歌がどうの、踊りがどうの、芝居がどうのといろんなご贔屓がディスられているのも目にしてきました。
(もちろん自分が逆のことをしてしまっているときもあると思うので、時々反省することもあるのですが)
タカラジェンヌの中にはなぜか「この人のことはいくらでもディスってもいい」みたいな扱いをされている人がいる気がしていて、
この台詞を言う紅くん自身もそういった扱いを受けているような印象を受けることがあります。
(自分が紅くん好きだから余計に感じるのかも知れませんが)
でももちろん紅くんにも計り知れない魅力があるわけで、
紅くんに限らず自分のご贔屓の方々がそうやってディスられているのを目にする度に、
「欠点があるのは分かってるけどそれも含めて好きなんだよ!」と思ってきました。
「みんな欠点はあるけれど、それ以上の魅力がある人たちなんです」というのは、
谷先生がたくさんの宝塚の教え子の魅力を伝えたいと紅くんに言わせてくれた台詞のように思えて、
何だか非常に胸に沁み入る場面だな~と感じております( ;∀;)(と同時に自分も気を付けなくてはなと思います……)
はい、今回も長くなってしまいました。
まだ愛しい愛しいあの人やあの人のことを語っていないので、
次回も引き続きあの世からお届けしたいと思います( ´ ▽ ` )ノ
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