一ヶ月が経ちました。
こんばんは。
宝塚とは関係の無いお話で恐縮ですが、
去る12月9日の夜、ピエールが高校生の頃から実家で飼っていた犬のジルが天国へと旅立ってから、
本日1月9日でちょうど一ヶ月が経ちました。
しんみりとしてしまい申し訳ありませんが、
今日はジルの話をさせてください。
ちなみに本日は宝塚とは関係ないお話ですのであらかじめご了承くださいませm(_ _)m
と言いつつ一ヶ所だけ関係ある部分を見つけたのですが、
上の写真が撮影されたのは2002年9月15日、
すなわち朝夏まなとさんが初舞台を踏んで最初の誕生日だったようです(笑)。
ジルとの思い出
ジルが天国へ旅立った金曜日、
僕は仕事が終わってエレベーターに乗りながらスマホを見て、
ジルの危篤を知らせる母からのメールを読みました。
駅へ向かいながら電話をした際に既にジルが息を引き取ったことを聞き、
どうしたらいいか分からないまま急いでいったんアパートに戻り、
最低限の荷物だけ用意してすぐに栃木の実家に帰りました。
姉と待ち合わせていっしょに帰ったのですが、
道中はお互いほとんど口を開きませんでした。
どんなに急いでももうジルは息を引き取ってしまっていると分かっていたのに、
こんなにも実家への道のりが遠く感じたことは今まで無かった気がします。
ピエールは大好きだった祖父母のお葬式とかでもほとんど泣いた記憶がありません。
決して悲しくないわけではなく、
むしろすごく可愛がってくれた祖父母が亡くなったのは本当に悲しかったのですが、
周りがみんな泣いているとどこか冷静になってしまうタイプで、
自分はきっとこういうときに泣けない人間なんだろうなと思っていました。
だから、このときもジルの死に胸を締め付けられながらも、
実際にジルと対面したら「17才で大往生だったよね」とすぐ受け入れられるんじゃないかなと思っていました。
けれど、ようやく実家に辿りついて、
ジルが眠っている2階へ向かう階段を半分まで登ったときに、
もうこの階段を登った先にいるジルは息をしていないんだと思った瞬間、
一気にそれが現実である実感が湧いて突然涙が溢れてきました。
前にもお話したことがあるかと思いますが、
ピエールの家には、ピエールが物心ついた頃から飼っていた「レディー」という名前の犬がいました。
左がジル、右がレディーです。
レディーがこの世を去ったのがピエールが高校を卒業した直後で、
ジルがうちに来たのはちょうどその1年ちょっと前でした。
ピエールが高校2年生のある夜、
たしか風邪を引いて学校を休んでいた日だった気がします、
外から突然、レディーがけたたましく吠える声が聞こえてきました。
と同時に、レディーのものとは明らかに違う、
甲高い鳴き声も聞こえてきました。
何事かと思って懐中電灯を持って庭に出ると、
庭の隅っこにあった木の根元に隠れるように、
うずくまって体を震わせている一匹の子犬がいました。
それがジルとの出会いです。
最初はどこかの子犬が逃げて迷子になってしまったのかと近所に心当たりの人がいないか探したり、
どうやら捨て犬らしいと分かってからは里親を探したりもしました。
けれどそう都合よく引き取ってくれる人も見つからず。
実は同じとき、野良犬を拾ったという人が、
同じように飼い主を探して近所を回っていた際にピエールの家にも訪れたことがありました。
その子の顔を見ると、何とジルに瓜二つだったのです。
体はジルより少しだけ大きかったですが、
おそらく兄妹だったんだろうなと。
その後、あのときの子が誰に引き取られていったのかは分かりませんが、
たしか当時母がパートをしていた会社の人が引き取っていったと聞いた記憶があります。
そんなこんなしているうちに、ピエール一家にもすっかりジルへの情が湧いてしまい、
いつの間にかそう呼んでいた「ジル」と名付けてうちで育てることになりました。
ジルは僕らが帰ってくるといつもフェンスに手をかけて喜びながら出迎えてくれて、
あまりのはしゃぎっぷりを「金網ダンス」と呼んでいました。
年末とかに地元の友達と遊びに行った僕が深夜に帰ってくると、
寝ていたハウスの中からわざわざ出てきて金網ダンスをして迎えてくれました。
けれどあまりに寒そうにブルブル震えているので、
「寒いから出て来なくていいからハウスに戻りなよ~(^^;)」
と言い聞かせていたことを懐かしく思い出します。
こうやって出迎えてくれるのが本当に嬉しかったなぁ……。
ジルが来た頃はレディーもすっかり老化が進み、
ほとんど走ったりすることも無くなっていたのですが、
ジルが来たことで刺激を受けたのか、
一時期また少し、軽く走ったりする元気が蘇っていました。
「ジルがじゃれてくるからレディーも元気が戻ってきたのかな~」と、
じゃれ合うレディーとジルの姿を見ながら話していました。
それでもやはり寿命には絶対的な限りがあり。
ピエールが高校を卒業した直後、
まだ新生活に向けた準備をしていた冬の日。
ある朝、父がいつも通りレディーの小屋に行ってみると、
いつも眠っていた場所でレディーはそのまま息を引き取っていました。
最後に寝たきりになってしまっていたジルと違い、
レディーは死ぬ前日も歩いたり自力でご飯を食べたりもしていて。
寒い中、誰にも看取られることなくレディーを死なせてしまったことがずっと心の傷として残っていて、
たぶん家族みんな同じように後悔していたんだと思います。
なので、ジルは暖かい部屋の中で過ごさせてあげたいと相談し、
1年前くらいからピエールが以前使っていた部屋に寝かせるようになりました。
レディーが天国へと旅立った後、
初めて飼ったペットを失った淋しさを埋めてくれたのがジルでした。
レディーが死んでから数年後のある日、
家の中に入れて遊ばせていたジルが、
不意にレディーの遺影に向かって「く~ん(´・ω・`)」と鳴いているときがあったんです。
「どうしたんだろうねぇ」と話しながらふとカレンダーを見たときに気付きました。
「あ!今日、レディーの命日だ!」
もしかしたら、遊びに来ていたレディーの姿がジルには見えていたのかも知れないね、
と話していたのを覚えています。
ちなみに猫のナツがうちに来たのはレディーが死んでからさらに4年ほど経った頃、
ピエールが社会人になった年です。
真っ黒で分かりづらいかと思いますが、ジルがじゃれているのが幼き頃のナツです。
レディーが死んでからずっと一人だったジルは、
まるで息子か弟ができたようでよほど嬉しかったのか。
僕は社会人になったばかりで忙しくて、
ナツが小さい頃はほとんど実家に帰れなかったのですが、
ジルはまだ小さいナツを母親代わりのようにべろべろ舐めて可愛がっていたそうです(^^;)
ちなみに我が家では「ジルくん」という呼び名が定着していましたが、
ジルはれっきとした女の子です(笑)。
レディーに遊んでもらっていた小っちゃいジルが、
大きくなって今度はナツと遊んであげていたんですね。
そんなジルもいつの間にかすっかり年を取り、
気付けばレディーが死んだときの年齢も通り過ぎていました。
ジルはお腹を撫でられるのが大好きな子で、
寝っ転がっているときにお腹を撫でてあげるとすごく気持ちよさそうな表情になりました。
不意にお腹を撫でる手を止めると顔を起こしてこっちを見ながら、
「もっとやってよ~」とせがむように足をバタバタさせる姿がたまらなく可愛かったです。
息を引き取ったジルと対面してから、
痩せてしまった体を何度も撫でてあげました。
もうこの感触を感じることもできなくなってしまうことが淋しくて、
何度も何度も頭や背中やお腹を撫でてあげました。
もう以前のように足をバタバタさせて反応してはくれませんでしたが、
何となく気持ちよさそうな顔をしてくれているような気がしました。
ジルがいなくなってからいろんなことを思い出しますが、
やっぱり思い出すのは元気に走り回っていた頃のことばかりで、
中でも初めてうちに迷い込んできた夜のことを毎日のように思い出します。
天国に辿り着くまでどれくらいの時間がかかるのか分かりませんが、
もしかしたら今頃はもう、レディーと再会していっしょに走り回ってるのかな~と考えたり。
思えばレディーが先に天国に旅立ってからもう16年。
ようやくレディーも淋しくなくなるのかな、と思ったりします。
ジルと過ごした時間は、ピエールにとって最高の宝物です。
最後の数年はジルも自由に走り回れずに辛かったかも知れないけれど、
これからはレディーと思う存分走り回りながら仲良く遊んで暮らして欲しいなと思います。
ジル。
17年前のあの日、うちに迷い込んできてくれてありがとう。
そして17年間、たくさんの思い出を本当にありがとう。
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