「お前がつまらないのは、お前のせいだ」(「邪馬台国の風」感想)
こんばんは。
宝塚男子ピエールです。
ということで、予定外の二度目の梅芸遠征の余韻も冷めやらぬ先週末。
花組公演「邪馬台国の風/Santé!!~最高級ワインをあなたに~」をピエールも観劇してまいりました~!
明日海りおさんが三人目の相手役として仙名彩世さんを迎えたお披露目公演。
そして我らが「とあちゃん」、芹香斗亜さんにとって、
花組生として最後の大劇場公演となる公演でございます。
大劇場で始まった当初は、まだ組替えは発表になってませんでしたからね~。
まさかこれがとあちゃんが花組生として大階段を降りる最後の姿になるとは思いませんでした……。
花男とあちゃんの姿をしかと目に灼き付けよう!という思いで観劇してまいりました。
ということで、今回はお芝居の「邪馬台国の風」の感想を書かせていただこうかなと。
「お前がつまらないのは、お前のせいだ」
この「邪馬台国の風」、
大劇場で初日を迎えてから近年まれに見る散々な評判が飛び交っていた印象でした。
ピエールのコメント欄の、普段それほど毒を吐かない常連の方々も、
「さすがに今回はアレだった……」という声が相次いでいて、
「逆にどれほどのもんなんだろう……」とむしろ興味も湧いてきたり。
ちなみにピエール、あまり難しいことを考えずに観劇するタイプなので、
例えば話に矛盾があったり、時系列が狂っていたりとか、
そういったことにはあまり気付かずに楽しんでしまうことが多いんですね。
なので世間で「駄作」とか言われる作品も結構好きなものがあったりするタイプでして。
突然ですが、大泉洋さん主演の映画「アフタースクール」で、
「学校なんて、友達なんて」と斜に構えて社会からはみ出た大人になってしまった佐々木蔵之介さん演じる男(役名忘れた)に対し、
大泉さん演じる中学教師の神野(じんの)先生が最後にこんなことを言います。
「あのなぁ、学校なんてどうだっていいんだよ。お前がつまらないのは、お前のせいだ」
この台詞聞いたとき、ピエール非常にシビれましてねぇ。
この学校つまらない、この本つまらない、この映画つまらない、このテレビつまらない。
自分が夢中になれない何かと対峙したときに、
とかく人間は「この〇〇はつまらない」と、その対象物のせいにしてしまいがちで。
でも実際はほとんどの場合、自分の捉え方したいで楽しい部分なんていくらでも見つかるし、
何かがつまらないのは、自分自身がつまらない人間だから、ということもあるのではないかと。
学校生活がつまらないのは、自分がつまらない人間だからだ、
そうじゃないと言うのなら、お前自身が学校を面白くしてみろ、
と指摘するかのような神野先生の台詞に、思いっきり胸を貫かれまして。
それ以来、ピエールはできるだけ物事に楽しみを見つけられる人間になりたいと思って生きてまいりました。
つまらないものであれば、自分がそれを面白くできる人間になりたいと。
面白くできないのであれば、それは自分自身がつまらないせいだと。
そんな中で迎えた「邪馬台国の風」。
この作品を観ながら、ピエールは思いました。
神野先生!これたぶん僕のせいじゃないです!( ;∀;)
長々と神野先生の教えを語ってこのオチですみません(笑)。
いや、少々語弊があるので補足しますとですね。
「駄作駄作」という評判を聞いてかなりハードルも下がっていたというか、
良くも悪くもまったく期待値を上げずに挑むことができたので、
思っていたよりそんな酷くないと思いました(笑)。
東京公演に向けて大劇場版からいろいろ改変もされたようですしね。
しかしながら、噂通りやっぱり物足りなさは否めない作品でもあった気がします。
お芝居終わって幕間に自販機のコーヒー買ってたら、
隣のベンチ座ったマダム2人の話し声が聞こえて来ましてね。
「あの最初に転がってる2つの死体がさ、主役の2人を暗示してるのよね」
マダム!
それ!
前回の「金色の砂漠」の話です!( ;∀;)
あまりにアレで気持ちが回想に入っちゃったのかな……( ̄∀ ̄;)
盆がお盆休み。
まずですね、噂に聞いていた「回らない盆」。
聞くところによると大劇場よりは回る場面も増えたとか増えないとか、
そんな噂も聞いたのですが、それにしてもやっぱりほとんど回らなかったです(笑)。
ピエール、盆とセリが大好きなのですよ。
こういう舞台装置が整っていない劇場の舞台によくある、
幕を下ろしてセットを交換するみたいな演出が、
どうにも集中力を削がれてしまって苦手なタイプなのですが。
けれど宝塚って盆やセリを駆使して、
幕を開けたまま気付いたらセットが変わってるっていうのが、
宝塚ファンになった頃にすごく衝撃でして。
しかしながら、「邪馬台国」ではなかなか動かない盆とセリ。
しかもですよ?
やっと盆が回ってセリが下がった~ヾ(〃>∇<)ノ
と思っていたら。
音楽とかの無いすごく静かな場面に限って装置を動かすもんだから。
ウィ~~~~~~~~ン……
っていう作動音が思いっきり響き渡っているのですよ!
ピエール、2階の最後列にいたのにものすごくクリアに聞こえちゃいましたよ!?(;・∀・)
これ、最前列の人とかってどんだけ大音量で聞こえてたんだろうって気になっちゃいました(笑)。
宝塚ファンになって10数年ですが、
ここまで装置の音がクリアに聞こえたの初めてなんじゃないかって気がします( ̄∀ ̄;)
逆に言うと、普段、何となく見ている盆が回ってる場面も、
実は作動音が聞こえないタイミングを狙って回すように計算されてたりするんだな~ということに気付きました。
あとですね、舞台の袖に引っ込んでいった人が、
すぐまた舞台に戻って次のお芝居に入る、っていう場面がやたら多くありませんでした?
一番気になってしまったのが、
明日海さん演じるタケヒコが邪馬台の兵たちと出会って、
鳳月杏さん演じる兵の長のアシラから「邪馬台の兵にならぬか?」と誘われる場面。
タケヒコは「山を降りたら考えてみる」と答え、
アシラも「その気になったら私を訪ねてこい」と。
で、袖に引っ込むタケヒコさん。
次の場面でアシラが兵士の中から選抜メンバーを選んでいると、
いきなり登場するタケヒコさん。
もう訪ねてきた!Σヾ( ̄0 ̄;ノ
って思わず声に出して突っ込みそうになりましたよ(笑)!(゚∇゚;)
いや、「考えてみる」って言ってたんだから、
もう少し時間置いて考えてる感を出してくれたらいいのに( ̄∀ ̄;)
いいところもありました。
と、文句ばっかり並べてしまいましたが。
しかしながら、前評判があまりに悪くてハードルを下げていたせいか、
思ってたほど酷くないじゃん、っていうのが率直な感想だったりしたのです。
ここ数年って海外ミュージカルや大作の上演がすごく増えたり、
若手の先生の台頭もあったり「良作」と言われる作品が増えてる気もしますが、
ピエールが宝塚ファンになった頃ってもっとこういう「あれれ?」な作品も普通もあった気がすると言いますか。
なので、「邪馬台国」は今だからこそすごい批判の矢面になってしまっていますが、
むしろひと昔前の宝塚によくありそうな作品という印象でした。
そういう作品であっても、スターの偉大さで何やかんや楽しんでしまえるのが、
宝塚のすごいところでもある気がするんですよね。
たしかにストーリー的には単調だったり、
最後に狗奴国が攻めてくるところが端折られていて気付いたら戦いは終わった感じになっていたり、
「何で一番の盛り上がりどころを割愛しちゃったの?( ;∀;)」っていう思いもありましたが。
でも、オリジナル作品ならではと言いますか、
各キャストが「その他大勢」にならないように一人一人キャラ設定をしてくれてるな~という愛情は感じました。
例えば朝月希和さん演じるトヨ。
最近は目立った台詞ももらえない役になることも多かったので、
今回もそんなにオイシイ役ではないのかな~と思っていたのですが、
意外にも柚香光さん演じるフルドリに想いを寄せる娘というちゃんとしたキャラ設定があって。
それも決して大きく描かれているわけではないのですが、
一場面だけの描かれ方でも登場人物のすれ違う人間関係の一つとしてちゃんと存在感はありましたし。
ちなみにトヨがフルドリに「いっしょにお酒を飲もうよ」と言ってフラれ、
フルドリは城妃美伶さん演じるイサカに「いっしょに酒を飲もう」と言ってフラれ、
イサカは明日海さん演じるタケヒコに「いっしょに酒を飲もう」と言ってやっぱりフラれ。
もうみんなでいっしょに飲めばいいでしょ宴なんだから(笑)!( ;∀;)
これが大劇場お披露目となった仙名さん。
仙名さんと言えば一番の持ち味はやっぱり歌声だと思いますが、
仙名さんと、それから専科の美穂圭子さんの神秘的なまでに美しい歌声が、
古代というどこか幻想的な物語の雰囲気を醸し出していた気がします。
これに加えて明日海さんやとあちゃんや柚香さんといった方々の美しさとかで何とか幻想的な雰囲気を支えてましたが、
本当ならもっと物語自体を幻想的にできたんじゃないかな~というのがやっぱり残念で。
「古代という地味な舞台を選んだのが間違い」という声も見かけましたが、
明確な資料が少ない古代だからこそいろいろ自由に設定できそうですし、
古代という舞台自体はむしろ宝塚に合ってると思うんですよね。
神話とかの世界に近い部分もあると思うので、
もっと思いっきりファンタジーにしちゃっても良かったかもな~と。
そして忘れてはいけない、我らがとあちゃんのクコチヒコ!(≧∀≦)
とーあーちゃん!とーあーちゃん!(≧∀≦)ノシ
いや~、黒いとあちゃん、ホントにカッコ良かった~( ;∀;)
せっかくの悪役なので、
もうちょっと思いっきり明日海さんと火花を散らす姿が見たいな~と思っていたのですが、
期待していたよりも戦いに深みの無さを感じてしまったのは残念だったんですけどね(^^;)
歌ももうちょっとキャッチーなソロがあれば良かったな~(>_<)
でも、それでも鋭い眼差しですごく迫力あるお芝居を見せてくれて、
花組で過ごした日々、明日海さんのもとで二番手として過ごした日々が、
とあちゃんを何倍も成長させてくれたんだな~としみじみ感じました。
タケヒコとの決着のつき方は何でああなったのかよく分からなかったのですが、
あれはピエールが1回しか観てなくて分からなかっただけなのかな……?
若干、一人一人の書き込みの弱さを感じたのは残念でしたが、
けれどいろんな人にちゃんと役を当てようとしてくれている思いは感じてそこは嬉しかったです。
何かもうどうにも深い感想が語れず、
いつも以上に浅い感想で大変申し訳ないのですが(^^;)
ストーリー自体はちょっと引きの弱さは否めませんが、
衣装とか雰囲気に関しては結構キレイなんじゃないかな~と思うので、
これからご観劇の方はとにかく深いことは考えずに古代独特の雰囲気に浸っていただけたら良いのではないかなと(//∀//)
ということで、あまりにあっという間で、
実はお芝居以上に何も語れなそうで不安しかないショーの感想はまた後ほど書かせていただきます( ´ ▽ ` )ノ
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