観劇レビュー・感想

とあちゃんに重なる三つの影(「シトラスの風」感想その1)※千秋楽の感想ではありません。

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

本日は宙組新トップコンビ真風涼帆さんと星風まどかさんの大劇場お披露目公演、
「天は赤い河のほとり/シトラスの風-Sunrise-」の千秋楽でございますね。

出演者ならびにスタッフの皆様、お疲れ様でした!

そして本日をもって宝塚を卒業された退団者、
星条海斗さん、結乃かなりさん、朝央れんさん、潤奈すばるさん、
ご卒業おめでとうございます!

 

そんなこんなではありますが、
ピエールも先週二回目にしてMY楽の観劇をしておりました。

一回目の観劇の後にショーの方の感想を書けないまま二回目の観劇の日が来てしまったのですが(笑)。

なので今回はショーの「シトラスの風-Sunrise-」の感想を先に書かせていただきたいと思います。
(千秋楽の日に全然別の日の普通の感想っていうちょっと空気読めない感じだけどたまたまこうなってしまっただけなので許して)

 

いや~、やっぱり「シトラスの風」は良い!(≧∀≦)

ピエール、朝夏まなとさん時代の全国ツアー公演で観たのが初めての「生シトラス」でして(生シラスみたいな字面)。

けれどやっぱり大劇場(東京ですが)の舞台で、
宙組フルメンバーでの生シトラスが観られるとは思っていなかったので、
イントロを聴いただけで一瞬にして鳥肌が立ってしまいました。

そしてやはり宙組のコーラスはすごい!!(≧∀≦)

 

テ~イクァ~チャ~~~ンス!

 

ゲ~ッタァ~ドリィ~~~ム!

 

って冒頭でいきなりのコーラスあるじゃないですか。

もうあの瞬間からすごい心を惹きつけられる力がありますよね。

ピエールの中学、コーラス分の人数が少なくて大会とかに出られなかったので、
他の部活の人たちの中から顧問の先生がスカウトした人を集めた「選抜コーラス」なるものがあったのですよ。

で、ピエールこう見えて中学時代はサッカー部だったんですが、
その選抜コーラスも兼任していた時期がありまして(ちなみに肉島くんもいっしょだった)。

一方で、隣のクラスにめちゃくちゃ声量があることで有名で、
合唱コンクールとかでもすごい目立ってる男子がいたんですが、
意外にも彼は選抜コーラスに入ってなくて。

みんなで不思議がって「どうして彼は選ばなかったんですか?」ってその顧問の先生に聞いたら、
「歌が上手いことと、コーラスに適していることとは違う」って言われたんです。

彼はたしかに個人としての歌唱力はあるけれど、
コーラスにおいてみんなと波長を合わせて歌うことができなくて、
30人くらいで歌っていても「俺の歌聞いてくれ」っていう主張が強すぎて彼の声だけが浮いてしまっている、と。

なるほどな~と思ったんですが、
「シトラスの風」の最初のコーラスを聴いた瞬間、そのことを思い出したんです。

宝塚は皆さん当然コーラスのお稽古もされているので、
もちろんどの組も一人が浮いてしまうようなことは無いと思うのですが、
中でも宙組のコーラスは、すべての人が絶妙なバランスを保ってるんですよね。

歌の上手い人の歌声が数十人分聞こえてくる、とかではなくて、
いくつもの歌声が重なってちゃんと一つの声になってるのを感じたのです。

例えるなら、肉を一枚ずつ揚げたトンカツが何枚もあるのではなくて、
薄切り肉を綺麗に重ねて揚げた一枚のミルフィーユカツみたいな(笑)。

「コーラスの宙組」って最初に聞いたときは、
「そんなこと言ってもどの組もコーラスはみんな上手でしょ~」って思ってたんですが、
それでも宙組のコーラスってやっぱり特別な誇りがミルフィーユのように積み重なっているのかもしれないな~と感じました。

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もうひとひねり欲しい「PARADISO」

今回初めて「シトラス」に加わったのが、
同じ岡田敬二先生の「ネオ・ダンディズム!」の再現となる「PARADISO」の場面。
(曲自体は真矢みきさんの「ダンディズム!」から使われていたようですがピエールは「ネオ・ダンディズム!」で初めて聴きました)

湖月わたるさんがサヨナラ公演で着ていたのと同じドラゴン柄のチャイナ服を纏い、
湖月さんと同じ星組育ちのとあちゃんが銀橋で歌うのはすごい感慨深かったですヽ(;▽;)ノ

ピエール、湖月さんは歴代トップ5に入るくらい大好きだったトップさんなので、
この「ネオ・ダンディズム!」もビデオ買って数え切れないほど観ておりました。
(こないだ朝海ひかるさんもトップ5って言ったばかりだけどどちらも嘘じゃないのです)

ゆえにものすごく思い入れのある場面なので、
それを他ならぬとあちゃんが再現しているというのは本当に嬉しかったのですが、
思い入れがありすぎるゆえかちょっと物足りなさを感じる部分もありまして。

「ネオ・ダンディズム!」のときは幕開きに大階段にずらっと並んだ男役さんが登場し、
その真ん中を湖月さんが降りて来るというすごい大迫力の名場面でした。

トップスターの湖月さんと同じ演出にするわけにもなかなかいかないでしょうから、
とあちゃん仕様の場面になることには全然異論は無いんですが、
歌いながら銀橋を渡るというシンプルな演出には、なんかもうひとひねり欲しかったな~という思いが残りまして。
(「ネオ・ダンディズム」を観ていなければ気にならなかったのかも)

「PARADISO」は本来は「シトラスの風」の場面ではないので、
今回「シトラス」に入れるに当たってはもう少し「シトラス仕様」が欲しかったと言いますか。

とあちゃんが一人で歌いながら銀橋を渡るという演出がちょっとシンプル過ぎて、
「芹香が『PARADISO』好きって言うから入れてあげたよ(⌒∇⌒)」っていう感じに思えてしまって。
(それはそれでとあちゃんファンとしてはありがたいのですが)

プログラムに書かれた解説も、
「花道に一人の青年が現れ、青春の日の苦い想い出を歌う」と。

なんかすごい抽象的じゃない……?という気がして。

これが全ツでのアレンジとかならともかく、
せっかく大劇場で「新・シトラスの風」を上演するという記念すべき作品なので、
もうちょっと演出に一工夫あったらな~と思ってしまいました。

 

でもそれはそれとしてとあちゃんの「PARADISO」を聴いていてすごく感じたのは、
とあちゃんは湖月さんよりも、次期トップに就任して「ネオ・ダンディズム!」を再演した安蘭けいさんの「PARADISO」に近いものを感じるな~と。

湖月さんと安蘭さんも、同じ場面なのに全然印象が違うのを当時も感じていたのです。

特に感じたのが、「仕草でーは~」って歌う前の「溜め」!

あの溜め方がすごい安蘭さんの香りを感じました。

で、なんでとあちゃんには安蘭さん感を感じるのかなと考えていたら、
よく考えたらとあちゃんが初舞台を踏んだのは湖月さんの退団後、
まさに安蘭さんのトップお披露目公演が初舞台だったんですよね。

なので、同じ「ネオ・ダンディズム!」の場面でも、
下級生時代にいっしょに舞台に立って間近で背中を見ていた安蘭さんの影響を受けているのかも知れないなと。

何度も聴いていた一つの曲から、
「男役・芹香斗亜」の歴史を感じることができたのが嬉しかったです。

21世紀ノスタルジア

一方、こちらは初演から「シトラス」の名場面の一つとして受け継がれている「ノスタルジア」。

ピエール、この場面がすごく大好きなんですよ。

正直に言いますとですね、宝塚ファンになった初期の頃って、
ロマンチック・レビューはそんな好きじゃなかったんです。

最初に観たショーが斎藤吉正先生の「満点星大夜總会」だったのと、
あとは大学生で若かったのもあってか、もっと賑やかで終始歌いまくってるようなショーが好きだったんです。

当初ロマンチック・レビューに対して感じてた物足りなさの一つが、
「歌が無かったり静かな場面が多い」というイメージだったんですよね。

当時は普通にJ-POPとか聴いてる一般的な若者だったので、
クラシックとかみたいに歌が無い音楽を楽しむという感性が無かったのかも知れません。

けれど、いろんな宝塚の作品を観ているうちに、
宝塚という世界が受け継いでいる品格、華やかさ、優雅さ、
そういったものを昔から今に継承する上で大きな役割を果たしてきたのが、
岡田先生のロマンチック・レビューのようなショーなんだと感じるようになったんです。

するとそれまではただ歌を楽しんでばかりいたのが、
だんだんと宝塚レビューの空間自体を楽しめるようになってきて。

そんな中で大好きになった場面の一つが、
まさにこの「ノスタルジア」だったんです。

この場面、真風くん演じるヴィットリオもとあちゃん演じるセバスチャンも、
台詞も歌もなく、お互いがデュエルする中で物語を伝えるんですよね(デュエルって言葉を使いたかっただけ)。

若い頃はよく意味が分からなかったこの場面のカッコ良さが、
いつの間にかすごく大好きになっていて、
これが名場面と呼ばれることが理屈抜きで分かるようになって。

こうやって歌も台詞もなく場面を持たせられるのって、
やっぱり成熟したスターならではの力だなーと思いました。

 

あとはとにかく足の長さ!

この衣装、とあちゃんのスタイルの良さがすごく際立っていて(//∀//)

初演で和央ようかさんが演じているセバスチャンを映像で見たときも、
「あぁ~、やっぱり和央さんすごいスタイルだな~」と思ったんですが、
ここでもとあちゃんに和央さんの姿が重なって見えていろいろな思いが込み上げてきました( ;∀;)

ピエールが宝塚ファンになった当時のトップスター、
和央さんと湖月さんの場面をとあちゃんが担うのを一つのショーで見られて、
さらにはそこに安蘭さんの姿まで重なって、非常にありがてぇ一時間でございますヽ(;▽;)ノ

 

そんなわけで、とあちゃんのことを語っていたら長くなってきてしまいました。

ので、「シトラス」の感想また続きは後ほど書かせていただきたいと思います( ´ ▽ ` )ノ

次回はあの人やあの人について語る予定です……誰かな……ドキドキ……。

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