観劇レビュー・感想

在庫ギレしたルキーニ(「エリザベート」感想その1)

こんばんは。

七咲ぴえるでございます。

本日ピエールはまたしても猫帰省の日でして、
こちらの記事は予約投稿させていただいております。

ということで本日は星組高雄公演「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀/Killer Rouge 星秀☆煌紅」の初日ですね。

星組の皆様およびスタッフの皆様、おめでとうございます!

8月末に始まったこの公演もついにクライマックスですね。

残り4日間と短い公演期間ですが、
その4日間で初めて宝塚に触れる方もたくさんいらっしゃるんでしょうね~。

とにかく残りわずかな時間、無事に千秋楽を迎えられることを祈っております。

 

そんなこんなの日々ですが、
先日の台北公演千秋楽のライブビューイングに行った週末、
実は前日の土曜には月組東京公演「エリザベート」も観劇しておりました!!

長きにわたりトップ娘役を務めた愛希れいかさんの退団公演にして、
珠城りょうさんとの「たまちゃぴコンビ」としての最後の公演となる作品ですね。

言わずもがな超絶チケ難の「エリザベート」、
ピエールも何とか取れたのはこの一回のみだったので、
これがマイ初日にしてマイ楽となる観劇。

すなわち、これがれいか様の見納めでした(´;ω;`)

ということで、本日は月組2018年版「エリザベート」の感想を書かせていただきたいなと。

と、その前に。

今回の公演、某カード会社の貸切公演だったのですが、
幕間にプレゼント抽選会が行われまして。

抽選のお手伝いに登場されたのは美海そらさん。

下級生に疎いピエールなので例の如くお名前は初めてお聞きしたのですが、
なんと今年初舞台を踏んだばかりの104期生!!

でもすごいしっかりご挨拶とかしてましたね~。

なんとなくお声が咲妃みゆさんに似ていたというか、
普段の咲妃さんというより「伯爵令嬢」のコリンヌのときの咲妃さんの声に似ていたような?

で、そんな美海さんにより行われた抽選会。

ピエール、10番台の席なので舞台に向かって左端の方だったんですけどね、
美海さんが抽選箱の中から引く半券の番号。

 

ことごとく60番台。

 

呼ばれる番号がほとんど60番台で、
他の番号出ても40何番とかばかりで、
ほとんど客席の右半分で行われてる抽選会を対岸から見ている気分(笑)。

とか思ってたら、なんと「栃木のシティーハンター」ことぽぽんたさんも同じ回をご覧になっていたそうで!(帰ってから知った)

で、ぽぽんたさん何か当たったかなーと思って聞いてみたら。

 

ぽぽんた「何も当たらなかった。60番台だったのに」

 

60番台なのに何も当たらないぽぽんたさん( ;∀;)

逆に不憫( ;∀;)

周りがどんどん当たってるのに( ;∀;)

友達みんなお母さんが迎えに来て帰ってくのに一人だけ校庭で遊んでる小学生みたい( ;∀;)

とりあえず美海さんはすっかり「60番台の女」というイメージになりました(⌒∇⌒)

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思った以上にシシイだったちゃぴシシイ

ということで感想に入らせていただくのですが。

「エリザベート」は宝塚でも10回目となる上演で、
ストーリーとか自体はこれまで語り尽くされた以上のことを深く語る自信も無いので、
ピエール的に今回の月組版でツボだったポイントについて書かせていただきたいなと。

まずは何と言ってもこれが退団公演となる、
ヒロイン「シシイ」ことエリザベートを演じたれいか様。

わたくし、大変申し訳ないのですが、
ラインアップが発表になったときは「ちゃぴがシシイって、ちょっとイメージと合うかなー?」と思ったりもしたのです。

特に、前回の宙組版で同期の実咲凜音さん(みりおん店長)がシシイを演じていましたが、
みりおんシシイが歴代のシシイの中でもかなりのハマリ役だったイメージもあって。

特に同期同士で同じ役をやると、いろいろ比較しちゃうじゃないですか。

「○期の中でシシイに合いそうなのは☆☆かな~」とか、
「今の●組でエリザやるならルキーニは★★が合いそうだな~」とか、
何かしら同じくくりに属してる人同士って比較されやすいと思うので。

なので、「エリザ」の再演自体がかなり連続していたのもあって、
「宙組のときほどハマれるかな~」とか思っていたのですが。

ごめんなさい、ちゃぴシシイ、めっちゃシシイでした( ;∀;)

何でしょう、みりおんシシイとか、歴代のシシイとかとは、
たしかに違う印象もあったんです。

でも、不思議とそれが「シシイのイメージじゃない」とはまったくならず。

エリザベートって、皇后としてのイメージだけでなく、
自由を愛する天真爛漫な少女が予期せず皇后というしがらみだらけの立場になってしまったことによる苦悩を抱えた女性だと思うんですが、
ちゃぴシシイはすごくそのシシイ本来の「自由大好き!(⌒∇⌒)」っていう少女の心がそのままオーラのように放たれていたように感じました。

だからかも知れませんが、
たまきちくん演じるトートとの関係性も今までとはどこか違って見えたというか(どこがどうと言われると上手く語れないのだけど)

 

さんざんトートの愛を拒否していたシシイと、
逃げ場として死を受け入れようとしたシシイを許さなかったトートが、
どうしてあの最後の瞬間にお互いを愛し合って昇天していったのか。

今まで何度「エリザベート」を観てもそこだけはどうにも自分の中で合点がいかなかったんですが。

今回そこに納得がいったかと言うとそうでもないんですが、
たまきちトートとちゃぴシシイを見ていると、
実は二人は最後に愛し合って昇天していったわけじゃなくて、
戦場を黄泉の国に移して戦いを続けてるんじゃないかなとか思えたり(笑)。

お互いを愛し合って物語が終わった、と考えるより、
「勝負の続きは黄泉の国で行なわれている」と想像すると結構しっくりくるような気がする、
そんなトートとシシイに思えました。

在庫ギレしたルキーニ

続きまして、月城かなとさんの演じたルキーニ。

月城くんて、ピエールの中では95期の中でも特に正統派の男役というイメージがあって(何をもって正統派と呼ぶかにもよりますが)。

逆に言うと男役生活のどこかで必ず殻を破るために人一倍もがく時期があると思うんですが、
たぶん今まさにその時期に差し掛かっているような気がして。

大劇場公演中も、月城くんのルキーニは無難に上手だけどちょっと物足りないという声も聞いていたので、
本来持ってる誠実で真面目そうな雰囲気ゆえに殻を破れずにいたら、
せっかくのルキーニ役なのにもったいないなと勝手に心配していたのですが。

でも、思っていたよりずっとルキーニとしての狂気を感じました。

欲を言えば、ですが、
月城くんってとにかくお顔が美しすぎるので、
髪形とかでもっと際立って個性的なビジュアルにチャレンジしてみても面白かったかなーとは思いました。

たしか湖月わたるさん(初代宙組版)のルキーニのときはちょっと長髪だか髪を後ろで縛ってたりしたと思うんですが、
ああいう感じの普段の男役さんがやらないような個性的な髪形にしてみるとか。

とか思ったんですが、もし月城くんがルキーニの役づくりのために髪を伸ばしていたりしたら、
大劇場公演中に代役でフランツを演じたときにさらに大変だったでしょうから、
あまり冒険しすぎるのも危険なのかなぁ(でもエクステとかならイケるかな?)。

月城くんってどうやっても美しくなるお顔立ちだと思うので、
そういう個性的だけどカッコイイみたいなビジュアルにも挑戦してみて欲しいなーと思ってたりします。

 

あとすごく印象的だったのがですね、ミルクの場面!

「ミ~ルク~♪」ってやってきたルキーニに市民たちが列をなすけどミルクの在庫は全然無くて、
「これだけ!?」って憤る市民に対してルキーニが「在庫が無いんだ~」ってはぐらかす場面あるじゃないですか。

あの場面、そのバージョンによって言い方は若干変わることはあったと思うんですが、
ピエールが初めてビデオで観た2002年の花組版の瀬奈じゅんさんのルキーニは、
「在庫が無いんだ~」ってマイルドな感じに言っていて。

その次の、初めて生で観た月組版の霧矢大夢さんは「在庫なし!ヾ(* ̄∀ ̄*)ノ」ってバッサリ断る感じで、
「あ、前とちょっと言い方変わった」って思ったのを覚えてるんですが。

今回の月城ルキーニ、ミルクの在庫が無いことを伝えるときに、

 

「在庫がないんだぁぁぁぁっっ!!(# ゚Д゚)」

 

ってめちゃくちゃ激ギレしてません!?( ;∀;)(言い回しは違ったかも知れないけど)

この場面でこんなに在庫ギレするルキーニ見たの初めてな気がしたので思わず「ビクゥッ!!( ;∀;)」ってなってしまって。

「そ、そんなに怒るなって……もうミルクミルク言わないよ麦茶で我慢するってば……( ;∀;)」
って引くくらいの迫力でした(笑)。

あれがあの回でたまたまだったのか、
それとも今回のルキーニの個性として月城くんが考えたのか、
あるいは小池修一郎先生の指示なのかは分かりませんが。

いずれにしてもあの二階席後方まで気圧されるほどの迫力、
「月城くん、すごい殻破ろうとしてる!」とゾクゾクさせていただきました(//∀//)

怒る芝居って、すごく難しいと思うんですよ。

怒りを表現するというのが難しいというのももちろんですし、
それ以前にあまり大声で怒鳴ってもうるささだけが印象に残ってしまうこともあるじゃないですか。

例えて言うなら、辛いだけで旨味の無い激辛ラーメンみたいな。

でも月城ルキーニのあの在庫ギレの場面、
体にビリビリ感じるほどの迫力はあるのに、
決してうるさいとかやり過ぎとかいう不快さは全く無くて、
辛いけどついつい箸が進んでしまう、すごく計算して作られた麻辣麺のような迫力でした(伝われ)。

 

まだ書こうと思っていたポイントがあるのですが、
長くなってきたのでいったんこの辺で区切らせていただきます。

あの人のことも書いてませんからね……北関東のあの人のことを……!

そう……!

ルリザベート!!(つづく)

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