観劇レビュー・感想

感情移入したのはこの人たち(「ひかりふる路」感想その2)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

ということで、感想が途中のままいろんなニュースに追われて続きが書けなくなってしまっておりましたが。

雪組新トップコンビ望海風斗さん(だいもん)と真彩希帆さんの大劇場お披露目公演「ひかりふる路」の感想の続きを。

今回は主演コンビ以外の登場人物について印象に残ったことなどを中心に書かせていただきたいと思います。

で、最初にいきなり自分の好みに走ってしまうんですが、
やっぱり我らが「ノゾミーナ」こと星南のぞみさんについて書かないわけにはいかないだろうと(* ̄∀ ̄*)

ノゾミーナの演じているエレオノール・デュプレという女性。

ロベスピエールとかフランス革命に詳しい人には、
むしろこのエレオノールという女性をロベスピエールの恋人として思い浮かべる方も多いようで。

僕は名前すら全然知らなかったのですが、
たしか配役が発表になる直前にいろいろ調べていて知ったような記憶があります。

今回の「ひかりふる路」ではエレオノールの出番は決して多くなく、
ノゾミーナ推しとしてはそれがちょっと残念なところではあったのですが(´・ω・`)

けれど短いですがワンフレーズだけ歌のソロもあったり、
台詞の発声の仕方も以前よりずっと自然になっていた気がしました。
(贔屓は全力で褒め(略))

全国ツアー公演の「琥珀色の雨にぬれて」でフランソワーズという大役を経験したことや、
同期の真彩さんがトップ娘役となったことで刺激を受けていることとかもあるのかな~と。

 

で、個人的には、やっぱりエレオノールがヒロインの話が観てみたかったな~とかさらに興味が湧いてしまいました。

と言ってももちろんノゾミーナをヒロインにしろという意味ではなく、
トップ娘役がエレオノールを演じるストーリーが見てみたいという意味ですが。

ロベスピエールという人物については(もちろん知らないことも多いですが)いろんな作品で描かれまくっている一方で、
その恋人についてはあまり触れられてこなかった人物だと思うんですね。

なので、宝塚的な見方をすると「ロベスピエールって恋人はいたのかな~」という興味が高まっていたところだったので、
今回「ひかりふる路」というロベスピエールが主人公になる作品が発表になった時点で、
「ついにロベスピエールが愛した人はどんな女性だったのかを知ることができる!」という期待があったんです。

しかし今回のヒロインはマリー=アンヌという架空の人物で。

実在のエレオノールの存在をあまり強調してしまうとマリー=アンヌの存在が霞んでしまうから、
ロベスピエールとエレオノールの関係性はあまり濃く描かなかったのは正解な気がするんですが、
「もうちょっとエレオノールがどういう人だったのか知りたかったなぁ(´・ω・`)」というのがちょっと残念でした。

でもそもそもあまり詳しくないので分かっていないんですが、
もしかしたら「内縁の妻」と言われたエレオノールもロベスピエールは愛していたわけではなくて、
今回の作品での描かれ方のようにエレオノールが一方的に想いを寄せている程度の関係だったのかも知れませんね。

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感情移入した人物その①

今回の作品、うっすらと知っている実在の人物がたくさん登場したので、
彼を取り巻く人物たちにも同情や共感する部分が多かったです。

その中の一人が、彩風咲奈さん演じるダントン。

ロベスピエールがどんどん恐怖政治に暴走してしまっても最後まで彼を救おうとしていたのに、
もう友達の言葉も聞く耳を持たなくなってしまっていたロベスピエールに拒絶され。

ダントンが一対一でロベスピエールと話し合おうとする場面は切なかったですね~。

最初はちょっとふざけながらロベスピエールの心を解こうとして、
だんだん必死さを隠し切れずに感情的になりつつもロベスピエールに寄り添おうとするけれど、
もう彼の心は完全にダントンとは別々の道を歩み出してしまっていて。

早霧せいなさんがトップ時代の二番手のだいもんと違って、
だいもんトップの二番手としてのさきちゃんはすごく難しい立場だと思うんです。

「ちぎみゆだいもん」のトリデンテとしてだいもんが絶対的な二番手として君臨していた分、
トップになった時点である程度トップとしての絶対感も確立されていて。

前体制の雪組がものすごいトリデンテ推しで、
今まで「早霧⇒望海⇒⇒⇒⇒⇒⇒彩風」くらいの距離感だったと思いますし、
これを「望海⇒彩風」の距離に縮めるのって容易ではないだろうなと。

けれど「立場が人を育てる」とはよく言ったもんで、
今回のさきちゃんは本当に胸を打たれる熱演だったと思います。

感情移入した人物その②

そしてもう一人意外にも気持ちがすごく理解できてしまったのが、
「鎌倉の妖精」こと朝美絢さん演じるサン=ジュストでした。

実際はどうだったのか分かりませんが、
今回の作品ではロベスピエールを敢えて恐怖政治の道へ誘導しようとするような立ち位置で、
ある意味ロベスピエール自身よりも恐ろしい存在ですよね(さらにそんなサン=ジュストを操ってたのがタレーランだったりする)。

友としての関係があったダントンと違って、
サン=ジュストはもともとロベスピエールの崇拝者のようなところから彼と出会っているので、
ロベスピエールに対して抱いている理想はもしかしたら誰よりも強くて。

ダントンがロベスピエールのために彼の心を動かそうとしたのに対して、
サン=ジュストは自分の理想のためにロベスピエールに存在してもらわなくてはいけないという願望があったんだと思うんですよね。

これをピエールの人間関係に置き換えると、
ダントンがロベスピエール見ているのがピエールが断捨裸零離くんを見ているような目線で、
サン=ジュストがロベスピエールを見ているのがピエールが肉島くんを見ている目線に近いかな~と(笑)。

ピエール⇒断捨裸零離くんは「友情」で、
ピエール⇒肉島くんは「崇拝」なので( ̄∀ ̄)

シャラレリくんが東京に出てきたのはちょっと遅くて20代後半だったんですが、
そのときにピエールは結構本気で止めたんですよ。

この年で東京に住み始めるのって大変だろうし、
シャラレリくんの性格的にも都会の暮らしって辛いんじゃないかなと思って。

でも地元を出ようというシャラレリくんの意志は固くて止められなかったんですが、
結果的にあのときシャラレリくんが東京に出てきてくれたおかげで今ピエールは孤独にならずに済んでいるので、
今となっては感謝しているんですけどね。

なんか必死でロベスピエールを止めようとするダントンを見ながらあのときの自分を思い出しました。

もし今シャラレリくんが地元に帰るって言いだしたら淋しいからあのとき以上に必死で泣いて止めると思います(笑)。

 

そして肉島くんは友達ではあるんですがもはやピエールたちにとって神様のような存在なのです( ̄∀ ̄)

なので肉島くんが突然人生観変わって今の肉島くんじゃなくなってしまいそうになったら、
「肉島くんは誰にも渡さない!」って感じでピエールやシャラレリくんは必死で妨害するんじゃないかと。
(かと言って純粋に肉島くんの幸せを願う気持ちもあるので結婚の邪魔をしようとかするわけではない)

サン=ジュストがロベスピエールに執着する姿を見ていると、
「自分たちが肉島くん大好きな気持ちに似てるな~」と思ってしまいました(笑)。

 

あと朝美ちゃんについて真面目に語ると、
今の雪組においてはだいもんに次ぐ歌唱力の持ち主なんじゃないかと思いました。

「あーさがすごく歌上手くなってた~」と姉が言っていたのですが、
ピエール的には月組時代から朝美ちゃんは歌が上手なイメージだったんですよね~。

「舞音」の新人公演のときだったかな~、
「朝美ちゃんってビジュアルについて語られることが多いけど歌も上手いんだ~」と思った記憶があります。

雪組はトップコンビの歌唱力が圧倒的な分、
周りがそれに付いていけないと主役以外が霞んでしまいかねないと思うんですが、
朝美ちゃんは歌唱面でだいもんや真彩さんとそれ以外のメンバーを繋ぐ役割を果たせる存在なんじゃないかなと思います。

豊富な登場人物の一方で……

で、今回の作品ですごく良かったのは、
いろんな登場人物がいつつもそれぞれがちゃんと存在感を示していたことで。

ダントンやサン=ジュストはもちろん、
これが退団公演となってしまった沙央くらまさんのデムーランや、
朝美ちゃんとともに雪組生として初の大劇場公演となった朝月希和さん演じるガブリエルもしっかり見せ場があって。

同じく組替えしてきた綾凰華さんはお芝居では際立った見せ場があるというほどではないですが、
主人公の弟という重要な立場の役ですし、新人公演初主演も兼ねている負担も考えると、
学年的にも十分オイシイ役だったんじゃないかなと。

あとはデムーランの妻のリュシル役の彩みちるさんとかも少人数口の場面も多かったので比較的目立ってましたよね。

彩凪翔さんの扱いだけは、翔くんファンだから余計に思うのかも知れませんが、
もうちょっと良くできなかったかな……と思ってしまいましたが(´・ω・`)

ロラン夫人は「ジロンド派の女王」と呼ばれるくらい強い女性の役なので、
男役さんが演じることでその強さや妖しさが際立つのは納得なんですよね。

しかしそれを翔くんに演じさせるなら、もうちょっとオイシイ描き方にして欲しかったなぁと……。

翔くんのロラン夫人がすごく存在感あった分、
描き方次第でもっとオイシイ役になった気がするのにな~というのがちょっと残念でした。

二番手デビューのさきちゃん、退団される沙央さん、
組替えチームの朝美ちゃん、朝月さん、綾さんがそれぞれ活躍させてもらえた一方で、
翔くんがちょっと割りを食った感じになってしまっているように思えて。

さきちゃんたちの躍進が新生雪組を勢い付けるためにふさわしい活躍な分、
翔くんの扱いだけはすごくもどかしい気持ちが残ってしまいました。

だって先日の「男役道」であれだけ男役としての心得や意識を下級生に伝授できる人だというのを見せつけてくれた翔くんですからね(`・ω・´)

今回は沙央さんの退団や組替えされてきた方も多かったこともあるので相対的に翔くんの見せ場が控えめだったのは仕方ない部分もあるかと思いますが、
次回の公演からは翔くんがもっともっと活躍の場を与えられることを願って止みません。

 

はてさて、肉島くんたちの話で脱線しかけたりしましたが(笑)。

トップコンビの歌唱力やワイルドホーン氏の素晴らしい楽曲はもちろんですが、
他にも見どころがたくさんある作品だと思いますし、
フランス革命を今までとはまた違う角度で見られる作品でした。

雪組はたくさんのスターがひしめき合ってる組でもあるので、
これからもこの作品のようにいろんな方が活躍する作品が観られたら嬉しいな~と思っております!

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