観劇レビュー・感想

贔屓を否定されて傷付いている人たちの歌(綺咲愛里ミュージックサロン「My Melody」感想その2)

「あ」で始まって、

 

「ん」で終わるもの、

 

なーんだ?(⌒∇⌒)

 

50お……☆(゜o°(○=(-_-

 

 

イリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!(≧∀≦)

 

 

こんばんは。

七咲ぴえるでございます。

ということで、8月22日(木)に日帰り遠征で行ってまいりました、
綺咲愛里さん(アイリーン)のミュージックサロン「My Melody」

もう一週間経ってしまったのですね……(;ω;)

本日もその感想、そして今回はピエールにとってすごく大切なあの曲について語らせていただきたいと思います。

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Fly, fly away

さぁ、ついにこの曲の話をする日がやってまいりました。

紅ゆずるさん主演、アイリーンがヒロイン、
そして組替えしてきたばかりの七海ひろきのお兄様の星組生として初の出演作品となった、
あの伝説の公演「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

先日のサヨナラショーの中でも、
その中から「Seven Wonders」と「Good-bye」の2曲が歌われていました。

そしてピエール、ミューサロを目前に控えたときに書いたサヨナラショーの感想記事の中で、
こんなことを言っておりましてん。

キャッチミーと言えば今回は歌ってなかったけどアイリーンのソロの「Fly, Fly Away」も大好きだったんだよなー、これもまた聴きたいなぁ……(´;ω;`)

「Fly, fly away」というのはですね、「キャッチミー」の終盤で、
紅くん演じるフランクが詐欺師だったことを知らされたアイリーン演じるブレンダが、
舞台で一人5分間にわたって歌う壮大なソロナンバーなのです。

ピエール、公演を観たときから、この曲が本当に本当に大好きで。

普段あんまり音楽聴きながら出歩いたりしないんですが、
これはスマホにも入れてる数少ない楽曲の一つなのです。

でもご存知のとおりこの作品は非常に著作権が厳しい作品で、
DVDの発売もスカイステージでの放送もされないままでした。

それゆえ作品を観ることはもう叶わず……。

正直に言いまして、どんな場面があったとか、どんな台詞があったとか、
細かい記憶は時が経つにつれおぼろげになってきてしまっているというのも事実です。

でもアイリーンの歌う「Fly, fly away」が本当に大好きだったので、
いつかまた聴けたらなーとずっと思っていたのです。

それが何と。

ミューサロで聴けましたーーーーーーーー!!!!!!ヽ(;▽;)ノ

 

ピエールが観た回は2日目だったので、
もしかしたら前夜にTwitterでセットリストをツイートしている人もいたのかも知れませんが、
僕は選曲とかは当日まで知りたくなかったのであまりTwitter見ないようにしていたのです。

なのでこの日も実際に会場に行くまで、
どんな曲を歌うのかというのはまったく知らなくて。

そして、席について、ドキドキしながらこのセットリストを開いたとき、
嬉しくて本当に震えが止まりませんでした(´;ω;`)
(そのとき両サイドでぽぽんたさんとめかたんは酒を飲み始めていたよ)

未熟なヒロイン

どうしてこの「Fly, fly away」という曲にそれほど胸を打たれていたのか、考えていたのです。

決して歌ウマと言われるタイプではなかったアイリーン、
ましてトップにもなる前、初の別箱ヒロインを務めたこの公演で歌ったこの曲に対する世間の評価は、
お世辞にも絶賛と言えるものではなかったと記憶しています。

最近改めてこの曲を何度も聴いているけれど、
今と比べるとやっぱり粗削りで未熟さは隠し切れません。

 

でも、僕はこの公演を観て、アイリーンが歌うこの曲を聴いた時に、
間違いなくすごく心が震えたのです。

一つの理由は、5分もの長い曲を歌い切ったことに対する感動だったのかも知れません。

けれど、それだけではない何かを感じていた気がしたのです。

ブレンダという役は、たしか落ちこぼれの看護師で、
どちらかと言うと「何も知らない馬鹿でコンプレックスだらけの女の子」みたいなタイプで、
そんな自信を持てない自分を愛してくれるカールを自分も心から愛し、
しかしカールが実は医者ではなく身分を偽る詐欺師だったことを突然知らされ、
そのショックの中で歌ったのがこの「Fly, fly away」だったかと。

まだ自立しきれていないブレンダがどうにか自分の足で立ち上がろうとする姿が、
その当時まだまだヒロインとして粗削りでもがいていたアイリーンの姿に重なって、
歌唱力だけで言ったら決して高くはなかったけれどすごく感情が伝わって来たのかも知れません。

贔屓を否定されて傷付いている人たちの歌

そしてこの曲は、彼に騙されていたことにショックを受けている曲ではなくて、
周りの人たちはカールを嘘つきだと呼ぶけれど、
彼が自分を愛してくれたこと、優しくしてくれたこと、幸せをくれたこと、
それは紛れもない真実だったという気持ちを歌うのです。

ちょっとだけその歌詞の一部を紹介しますと、

「医者でも弁護士でもないけど 彼の愛は偽りじゃなかった」

「落ち込んで傷付いたこの心 彼は優しく癒してくれた」

「彼は偽者だとみんな言うわ だけどたしかに彼はいた」

といった感じ。

つまり、それまで周りの人たちの評価に流されるだけだったブレンダが、
初めて自分自身の気持ちに自信を持って、自分の感じたことを決して曲げない決意をして、
「他人の評価」との決別を歌った曲なんじゃないかと思います。

 

自分の愛する人を周りの人が否定するけれど、
それでも自分はやっぱり好きなんだと葛藤する感情。

たぶん宝塚ファンの人であれば、
同じような気持ちを味わったことのある人も多いんじゃないでしょうか?

自分の贔屓を否定されたときの気持ちに似ていませんか?

僕は技術的な面よりもビジュアルが好みの方や(自分が感じる範囲での)人柄を好きになれるかどうかが重要なので、
技術重視の人から贔屓がボロクソに言われるという経験は死ぬほどしてきました(笑)。

「歌えない」

「プロ失格」

「努力不足」

「こんなのに金を払う価値はない」

 

うっせーバーカ!(⌒▽⌒)

 

って今ではそれしか思わないんですけど(失礼)、
まあ、やっぱり以前はそういう世間の評価が気になってたこともありました。

ちなみにピエ茶のとある初期メンバーも、
「私この頃あーちゃんのこと全然上手くないから好きじゃなかったんやけど、トップになって成長する姿見てどんどん好きになってきてん」
という人もいましてね。

おめーよくそれ俺に向かって言いやがったなって思いましたけど(笑)。

 

でも、改めてこの「Fly, fly away」の歌詞をじっくり聞いていたら、
「技術的には未熟かも知れないけれど、それでも自分がその人の歌に胸を打たれたのはまぎれもない真実」と、
まるで自分が何かに感動したときの気持ちを歌ってくれているように思えたのです。

そして、退団公演の「食聖」でアイリーン演じるアイリーン(ややこしい)の台詞にこんな言葉があります。

「完璧だから愛されるわけじゃない。不完全だから支え合い、愛し合うんだ」

もちろん技術を磨こうとする努力は大事だと思います。

けれど、人の心を震わせるのは必ずしも技術だけとは限らないし、
技術さえ完璧なら感動するというほど単純なものではないと思います。

アイリーン以外にも自分の好きな人たちが批判されるのは山ほど経験してきたし、
今でも批判の的にされている贔屓もいます。

だけど僕は今はもうそういう贔屓に対する他人の評価が本当にどうでもいいんです。

ファンとして少しは気にすべきかも知れないけど(笑)。

でも、何に心を動かされるかは人それぞれなので、
そこで言い争ったところでどうせ正解なんて出ないと思いますし、
同じ価値観の人だけ探して盛り上がってる方がよほど有意義だと思うのです。

逆に僕の言葉で自分の贔屓が否定されたと感じたことのある人もいるかも知れないのですが。

でもまぁお互い自分がそれぞれの贔屓を好きなことに変わりはないんだからお互い無視してりゃいいじゃないかと(笑)。

 

そして同じように自分の贔屓が批判されて、
周りの人から自分の好みを否定されて傷付いている人たちがこの「Fly, fly away」を聴いたら、
他人の評価に振り回されずに、
自分の好きになった人を好きでいいんだ!と思えるようになるかも知れません(絶対とは言わない)。

逆にもちろん、好きだったはずのものが自分の感覚に合わなくなって好きじゃなくなることもあるのが人間だと思います。

けれど好きになるのも嫌いになるのも、他人に何か言われたからではなくて、
自分が好きか嫌いかという感覚を大事にできる人間でありたいなと思います。

 

余談ですが、「この頃あーちゃん好きじゃなかった」と言っていたその人は最終的に、
「どうしてもサヨナラショー観て紅さんとあーちゃんにお別れしたいねん(;ω;)」
と言って前楽の当日券に並んでいました(笑)。

それもすべて、アイリーンがこの数年間で積み上げて来たものが心を動かしたんだと思います。

観られなかった公演の思い出

そんなわけで、この後のセットリストも含めてまとめてご紹介させていただきますと。

他の曲の中で特にグッと来たのは、「太陽王」の「愛の行方」かなー。

この公演やってた頃はまだアイリーンのファンになる前でしてね、
公演も観に行ってなかったのです。

姉曰く、「誘ったけど行かないって言ったから一人で行ってきた」らしく(笑)。

でもあとでスカステで映像を見て、
このときアイリーンが演じていたマリー・マンシーニがすごい好きになったのです( ;∀;)

「キャッチミー」よりさらに前なので、やっぱり技術的にはすごく未熟だったかも知れないですし、
たぶん同じく厳しい評価を受けていたんだろうなーとは思うんですが。

この曲から感じられたアイリーンの成長も、
「この人のファンになってよかったなー」と思わせてくれるものだったと思います。

自分の観られなかった公演の曲を生で聴ける機会に恵まれるというのもすごく幸せだなーと思います(*´ω`*)

 

「舞台はやっぱり生で観るのが一番」というのは真実かも知れないけれど、
普段はあまりそれを言わないようにしていたりします。

観劇にかけられるお金には限りがあるし、
劇場までの距離は人によって大きく違うし、
すべての人が宝塚を観ることを最優先に生活環境を選べるわけではないと思うので。

けれど、去年のお兄様のディナーショーに始まり、
「エルベ」の千秋楽、「食聖」の千秋楽、そして今回のアイリーンのミュージックサロン。

この一年は、生で観ることができて本当に良かったと思える公演をたくさん観ることができました。

ピエ茶初期メンであり早霧せいなさんのファンであるポニョさんが、
「大劇場で退団公演の前楽を観ることができたから悔いなく卒業を見送れた」といった感じのことをおっしゃっていたのですが、
この一年間、そのときの言葉の意味を自分も実感しているような気がします。

 

だけど、それらのほとんどが、
自分の運や努力とはまったく別の、誰かの助けによって観ることができた公演です。

これが自力で取ったチケットだったらもっと自慢できたかもなとは思いつつ(笑)、
この機会を与えてくれた方々に本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。

大好きな人たちが次々と退団してしまう2019年は宝塚ファンになって一番辛い一年だけど、
一番幸せな一年にもなるような気がしています。

こうして幸せな気持ちで卒業を見送れることに感謝して、
残りの東京公演のわずかな時間も大切に過ごしたいと思っております。

それでは皆さま、本日もご唱和くださいませ。

せーの!

 

アイリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!(≧∀≦)

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