観劇レビュー・感想

世代交代への布石(「私立探偵ケイレブ・ハント」感想その2)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

ということで本日は雪組公演「私立探偵ケイレブ・ハント」の感想の続きを書かせていただきたいなと。

その前に全然関係ないけどふと思い出したことがありまして、
「ケイレブ」と同じ正塚晴彦先生による「マリポーサの花」という作品で彩吹真央さんが演じるエスコバルが歌っていた、
「こーのー国に~資本を~投下しーてーる~♪アメリカの企業連中がオレたちに上前をはねられて、いつまでも黙って~見てると思うか~♪」
っていう曲があったんですが。

この作品すごい大好きだったんですが数ヶ月に1回くらいどうしても脳内で、
「こーのー国に~シフォンを~投下しーてーる~♪」っていう替え歌が離れなくなることがあって、
ハイテンションなアメリカ人がシフォンケーキをばら撒いてる姿を想像して一人で楽しんでいる私だよ( ̄∀ ̄)

いや~、この話をずっと誰かにしたかったんですが、
いかんせん職場とかに宝塚ファンの人とかいなくて伝わらないもので、
ようやくこの場をお借りして歌うことができました(//∀//)

では本題に戻りますね(笑)。

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当て書きならではのキャラクター

前回は早霧せいなさん演じる主人公ケイレブと咲妃みゆさん演じるヒロインのイヴォンヌの話で終わってしまいましたが、
その他の登場人物も、当て書きのオリジナル作品らしい、
それぞれのキャラクターに合った方ばかりで。

最近はかなりアクの強い役が多かった望海風斗さん(だいもん)は、
久しぶりに本来のだいもんらしい「いいやつ」感満載のジム。

だいもんってすごく芝居や歌にパワーのある人だと思うので、
悪役とかやったらそれはもちろんすごい迫力じゃないですか。

でも一方で、そういう役ばかり続くと、
ちょっと力み過ぎて必要以上に押しの強い芝居や歌が染みついちゃうんじゃないかな、
というのが心配だったのです。

なのでこのタイミングでそんな力みの無い、
ジムというどこか地に足が付ききってない人物が回ってきたのは、
今後のだいもんにとって間違いなくプラスに働くと思いました。

 

しかしケイレブもジムも、ホント彼女に弱いですよね(//∀//)

設定は少し前の時代のロサンゼルスですが、
男女の力関係という点ではむしろ超現代的だな~と思いました(笑)。

「ノゾミーナ」こと星南のぞみさん演じる恋人のレイラとの「ハンバーグ」の(ピエール的に)名場面。

ジムが先にハンバーグを食べて食事を済ませてしまったことにふてくされたレイラが、
「何食べたい?」と聞くジムに聞かれて「じゃあハンバーグ」って意地悪な答えを返して、
けれどジムはレイラの機嫌を取るために「よし!牛殺してでも食べよう!」って合わせてあげるのが、
何とも微笑ましいカップルだな~と思いました(//∀//)

結局レイラは冗談だと言って許してくれますが、
「豚との合い挽きじゃなきゃ嫌だ」とか言い出したらどうしようかと(笑)。

いや~、しかしノゾミーナが可愛かった(*´∇`*)

ジムが怪我をした後で、
ケイレブたち主要キャストが7~8人でそれぞれいろんな方向を見つめながら歌う場面があるんですけどね、
その主要人物たちの中にノゾミーナの姿があったことが嬉しくて嬉しくて(//∀//)

雪組世代交代への布石

ホレイショーの彩凪翔さんももう圧倒的なイケメン感で。

ホレイショーってね、すごいイケメンだけど、
たぶん自分がすごくカッコイイってことをあまり気付いてないというか意識してないタイプだと思うのです。

でもそんなところがまたカッコ良くて、
モテるんだけど本人はそんなにモテるということに関心は無くて、
意図せずいろんな女性の心を砕いてきたんじゃないかな~と(笑)。

アメリカの映画に出てくる刑事って、
たいてい家庭を顧みずに仕事に明け暮れて、
愛想を尽かした奥さんに子供を連れて逃げられて、
裁判の結果で月に一度しか娘に合わせてもらえない約束になってるんだけど、
楽しみにしてたその面会日によりによって事件で仕事に行かなきゃいけなくなる展開が多いじゃないですか。

たぶんホレイショーもそのタイプの人生を歩むんじゃないかなぁ。

うん!彩凪くん主演で何かしらの刑事ドラマを舞台化したら絶対カッコ良さそう!(≧∀≦)

 

探偵仲間のカズノの彩風咲奈さんは、
ショーも含めてところどころだいもんと対になって登場するような場面があって、
これからへの期待がかけられてるんだろうな~というのを今までで一番感じました。

さきちゃんが公演を重ねるごとに正式に3番手的な扱いになっていくのは、
翔くんもさきちゃんも好きな身としては複雑ではあるのですが(>_<)

早霧さんが退団を発表した今、
早霧さんがいなくなった後の雪組の中心の一人として活躍してもらうために、
さきちゃんも今が一番飛躍を求められてるタイミングなんだろうな~と。

次期トップの予想とか迂闊に書くと怒られちゃいそうなので最近は控えてるんですが、
今回に関してはおそらく次はだいもんであることは間違いないと思うんです。

ここでどんでん返しとかする必要性を全く感じないですし。

雪組はここまで「ちぎみゆだいもん」のいわゆるトリデンテが絶対的な存在感を放つ一方で、
2番手のだいもんと3番手以下の方々がちょっと差が開いちゃってた気がするんですね。

でもいざだいもんがトップになったら、
もうだいもん一人に全てを背負わせるわけにはいかないですし、
そのためにも次世代の雪組を支える層の存在感を強くすることが必要なのではないかと。

たぶん、だいもんの役の圧倒的な2番手感をいつもより抑えたのは、
早霧さんの退団を前にだいもん一人に舞台を背負わせずに、
3番手以下の方々の存在感を磨かせようという意図もあったんじゃないかなと感じました。

 

それとカズノと言えば、
有沙瞳さん演じる歌手のポーリーンがひったくりにあって、
それをカズノが助けてあげたことでポーリーンが一気にカズノに一目惚れしてしまったようで(* ̄∀ ̄*)

で、ポーリーンが歌っているところにちょうどカズノが現れたら、
喜んだポーリーンがカズノをステージの上まで引っ張ってくるんですが、
その後も普通にポーリーンは歌ってるだけで。

ステージ上でカズノはおろおろと歩いてるだけで、
「何をさせるためにわざわざステージに引っ張り上げたんだよ!」って思いました(笑)(//∀//)

 

悪役のマクシミリアンに抜擢された月城かなとさんは、
見るからにイケメン青年実業家という雰囲気でしたね~。

これだけカッコ良くてお金もあったら人生楽しいだろうな~と(//∀//)

一方で、人を平気で殺めるほどの悪役としてはもうちょっとこれからかな~という印象もありました。

月城くんってたぶん自分からすごくグイグイアピールすることが本来は得意なタイプではなくて、
悪役としての押しの強さはこれからいろんな役を通してもっと身に付いて行くんだろうなと感じましたが、
若き日の壮一帆さんを思い起こさせる気がしました。

壮さんって、トップになった頃はすごいオラオラ系の男役さんになってましたが、
ピエールが宝塚観始めた頃って新公卒業したばかりの時期、
すなわちちょうど今の月城くんと同じくらいの学年で。

同じく正塚先生の「Romance de Paris」で、
主人公とちょっと対立する重要な役どころに抜擢されていたのですが、
後にあんなオラオラ系になる壮さんが、
こんなに役作りに苦しんだことはないみたいなことを口にするほど苦労していたのが印象に残っていて。

壮さんって若手の頃からすごくカッコ良くて技術もしっかりしていて、
素人目にはもう全部できあがってるようにも見えたのですが、
当時は唯一何か「パンチ」のようなものが足りないように感じてたんですね。

でもそれがトップになる頃には強すぎるくらいにパンチあるカッコイイ男役さんになっていて(笑)。

なので今はまだちょっと控えめな雰囲気のある月城くんも、
これから組替えという大きな経験をして、
たぶんこの後2~3年の間にとんでもない男役に飛躍するような予感がしてすごく楽しみです。

あと、月城くんと同期の星乃あんりさんの可愛さも際立ってましたね~(//∀//)

ピエール、星乃さん、すごい好きなんですよ(* ̄∀ ̄*)シッテタ?

娘役!って感じの可愛い雰囲気が本当に素敵な娘役さんだな~と。

アクが強いわけじゃないのに舞台上で大勢の中にいても絶対に目を引く華やかさで。

ヒロイン経験も豊富な方なので、これからもう一花咲かせるチャンスに恵まれないかな~(>_<)

 

他に印象に残ったのは、早花まこさんの演じていたコートニーさんとかかな~。

早花さんって第3期スカイフェアリーズを務めていたんですが、
ちょうど同じくらいの時期に90周年記念の運動会が開催されていて、
椅子取りゲームで大活躍してたんですよね。

そのときからもうとにかく元気な人ってイメージがあったんですが、
最近はすっかり大人の娘役さんの雰囲気になって。

娘役さんって、下級生の頃は「ふふ~(#^^#)あはは~(#^^#)」みたいなおしとやかな雰囲気だったのが、
上級生になると「あ~はっはっは!(≧∀≦)」ってすごい豪快になったりするパターンは多いじゃないですか(笑)。

でも早花さんって下級生の頃からすごい飾らない雰囲気で、
舞台に立つのが本当に好きなんだろうな~っていういつも楽しそうな様子が印象的で、
逆に上級生になってからすごく上品な雰囲気も漂って素敵な娘役さんだな~と感じます。

 

ちなみにピエールは正塚先生の書く台詞や歌詞が大好きなのですが、
今回の「ケイレブ」の中で一番グッと来たのは、
終盤でケイレブがイヴォンヌに言う「雨は大好きだ。君のことも」という台詞でした。

正塚先生は「ここぞ!」っていうところで「好き」というシンプルな言葉を言わせるのが上手いんですよね~。

 

というわけで久しぶりに観ることのできた正塚先生の大劇場作品。

同じく正塚作品のファンの姉も、
「いや~、何か久しぶりに正塚!って感じの作品が観れて良かった~!盆もいっぱい回ってたし!」と満足そうでした(笑)。

これからご観劇の皆さま、
宝塚らしい華やかさ煌びやかさはちょっと控えめかも知れませんが、
スタイリッシュな洋画を観てるような気分で大人の物語に浸ってみていただきたいと思います。

そんなわけでショーの感想はまた後日~( ´ ▽ ` )ノ

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