観劇レビュー・感想

すみれコードは大事にしよう。(「カンパニー」感想その1)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

ということで、先週観てまいりました、
月組東京公演「カンパニー~努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)~/BADDY~悪党(ヤツ)は月からやって来る~」

本日はまずお芝居の「カンパニー」の感想を書かせていただきたいと思います。

 

あのですね……。

 

ピエール……。

 

カンパニー……。

 

割と楽しめちゃったんですけどどうしましょう。

 

いや、なんか前評判は賛否両論が激しかったというか、
酷評されてるツイートとかも目にしていたので、
もっとすごいゲキレツに不快なのが来るかと身構えていたせいもあるかも知れないのですが。

と言っても決して「いや~、すごい名作観た!まったくもって文句無し!」っていうわけではなく、
「あ~、なるほどね~、ここが酷評されてるポイントなんだろうな~」
と何となく分かったところもありまして。

良かったところと悪かったところ、
どちらを先に書こうかなというのも結構重要な問題だと思うのですが、
ピエールは自分だったらどちらから聞く方が好きなタイプかと言いますと、
良かったところだけ聞いて終わらせたいタイプでございます(笑)。

でも今回は両方の側面から書かせていただこうかなと。

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原作ものあるある

ということでまずはちょっと不満だったところを挙げさせていただきたいなと。

普段はそんなに不満は敢えて書かないようにしているタイプなのですが、
今回に関してはちゃんと書いとかないと、
「ピエール、ああいうのもOKだと思ってる人なんだ」って見識疑われても嫌だなという自己防衛もありますのでね……。

まずですね、ピエールが目にした範囲で「カンパニー」が酷評されているポイントの一つとして、
おそらく「原作との変更ポイントが許せない」というのが多い印象でした。

原作ものが舞台化・実写化されるときってこれがつきものかと思うのですが、
今回に関してはただ単に「この登場人物が出てこないなんて!」とか「あの場面が無いなんて!」とかいうものではなく、
「なんで敢えて原作のあの素敵な台詞をこんな言葉に変えちゃったの!?」とか、
「なんであの人物の行動の動機をこんな意味不明な理由に設定変えちゃったの!?」といった、
「余計なことしてんじゃねーよオイ」的なことを不満に感じてらっしゃる方が多いのかなと。

こればっかりは原作を未読のピエールが肯定も否定もしようがないですが、
だから逆に言うと「楽しかった」と言っているのは原作未読の方が多かったのかも知れませんね。
(もちろん原作読んでたけど楽しめた人も、原作未読だけど楽しめなかった人もいると思います)

すみれコードは大事にしよう。

で、他によくTwitterで見かけたワードが大きく3つありまして。

僕がよく目にしたワードなので他にも「これが気になった」というのもあるかと思いますし、
波紋を呼んでいる理由に対するピエールの解釈が的外れだったりするかも知れませんが、
あくまで僕がこう感じた、というものだという前提でお聞きいただければと思います。

まず一つ目が、海乃美月さん演じる瀬川由衣が千海華蘭さん演じる間内澄人に吐き捨てる、
「孕ませたのはお前だろう!」という台詞。

これは原作にも同じ表現があるという情報も聞いているのですが、
原作にあるから仕方ないというものではないと思うんですよね。

ご存知の通り宝塚って「品」を大事にしてきた世界です。

例え原作にあったとしても宝塚で上演するにあたっては、
むしろそれこそ変えるべきものもあると思います。

話の流れは変えられないにしても、
「お前が父親だろうが!」みたいな表現にしてればこんな不快感は無かったと思うんですよね。

 

同じく気になったワード二つ目が、
愛希れいかさん演じるヒロインの高崎美波が、
想いを寄せ始めた珠城りょうさん(たまきち)演じる主人公・青柳誠二に他界した奥さんがいることを知り、
「ライバルは幽霊かな」と呟く台詞。

すみれコードとはちょっと違うかも知れませんが、
亡くなった奥さんのことを「幽霊」呼ばわりすることに嫌悪感を感じた方も多かったようで。

これも同じく、ベタですが「ライバルは思い出かな」とかにすればいい話なのではないかなと。

 

そして三つ目が、早乙女わかばさん演じる有明紗良が美弥るりかさん演じる高野悠に対して、
「あなたの遺伝子が欲しい」と言う台詞。

これは上記の2つとはちょっと違う気がしていて、
「遺伝子」という遠回しながらもちょっとすみれコードに引っかかりそうな表現を使っているというのと同時に、
「女の幸せは優秀なオスの子どもを産むこと」みたいに決めつけていることに対する反発もあるのかなと感じています。

これは人それぞれの価値観なので、
現に優秀な男性の子どもが欲しいと思う女性もいるかも知れませんし、
そんなこと微塵も感じないという女性もいるかも知れませんし、
実際にピエールはどちらのタイプの女性も出会ったことがあるので、
この考え自体は肯定も否定もできません。

あくまで紗良という一人の女性の個人的価値観として「悠の遺伝子が欲しい」というだけなんだからいいんじゃないかなと思う反面、
でも「女性の幸せ」とか最近よく炎上する内容を宝塚の舞台で敢えてぶっこむ必要は無かったんじゃないかなという気もします。

ここがピエールが決して嫌いではない石田先生に対する大きな不満の一つで、
「なんでわざとそういうことしちゃうの??」ってところなんですよね。

ピエールも男なのでね、女性の気持ちはよく分からないことも多々あります。

「女の話は意見なんて言わずにただ黙って聞いててくれればいいのよ」って言っておきながら「ねぇさっきから頷いてるだけだけどちゃんと聞いてる!?」って文句言うのは何でなんだとか、
年を聞くのはマナー違反とか言うくせに誕生日は祝ってもらえないと怒るのはどういうことだとか言いたくて言えなくてなことはたくさんありますし、
女性の心理が理解できずに図らずも逆鱗に触れる発言をしてこっぴどく怒られることなんてトラウマになるほど経験しております。

でも石田先生って「わざとやってる感」があって、
たぶんそこが皆さんが許せないところだったりするのではないかとピエールは感じるのです。

 

僕はあまりファンに媚び過ぎて萌え散らかすような作品も、
「どうせこういうのやればみんな喜ぶんでしょ?( ̄∀ ̄)」って思われてる気がしてあまり好きではないですが、
かと言って逆に、反感を買うのが分かっていることをわざとやる必要も感じません。

例え反感を買おうとも挑戦し続ける意義のあることもあるとは思いますが、
「すみれコードを破ること」になんて意味があるとは思いませんし。

何度か書かせていただいていますが、
石田先生の「傭兵ピエール」が宝塚初観劇の作品だったピエールは、
「石田先生の作品はまたこれだから~」って言われるのは本当に淋しいです。

それが単に面白い作品を書く力量が無くて「つまらない」って叩かれてるならともかく、
「そういうのやめたら本当に楽しくて幅広い人が楽しめるハッピーな作品を創れる先生なのに」っていうのが歯がゆいのです。

 

次回作はこういう「意図的に物議を呼ばせる」ような作品にせず、
「今回の石田先生の作品、いつもと違ってすみれコードに引っかかるようなものも無くて、すごくハッピーで分かりやすくて楽しかった~」
って言ってもらえるような作品をやっていただけたら嬉しいんですけどねぇ(´・ω・`)

自分を宝塚の世界にいざなってくれた「傭兵ピエール」という作品は僕にとって永遠に大切な作品ですし、
それを作った石田先生も特別な存在です。

同じように「カンパニー」で初めて宝塚を観て宝塚ファンになる人もいると思いますが、
その人たちが後々になって「最初が『カンパニー』だったの?www」とか言われたら悲しいじゃないですか。

大きなお世話かも知れませんが、
石田先生の作品で宝塚ファンになる人、宝塚ファンになった人もたくさんいるんだということを、
石田先生自身にもどうかもっと大切にしていただきたいと、わたくしこのように願っております。

 

「割と楽しめちゃいました」と言いながら不満点を書き連ねてしまったのですが(笑)。

でもこれはあくまで「酷評している方はこういうところが許せないのかな」と共感できた部分という意味なので、
僕自身はすごく楽しめた部分も多かったです。

次回は気分を変えて良かったところを書かせていただきますので、
どうか次回も読んでください(笑)。

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