観劇レビュー・感想

なぜ「GOD OF STARS」が紅ゆずるの退団公演にふさわしいのか?(「GOD OF STARS-食聖-」感想その2)

きーみーこーそーゴーーッドオーーブスターーーー!!!!!( ;∀;)

 

こんばんは。

七咲ぴえるでございます。

ということで本日も、星組トップコンビ紅ゆずるさんと綺咲愛里さん(アイリーン)の退団公演、
「GOD OF STARS-食聖-」の感想の続きを書かせていただきたいと思います。

いきなり余談ですが、大劇場にある「殿堂」に行くと、
現在は星組公演に関連した展示がされているわけですが、
その中にこんなものがありまして。

始球式のときに紅くんとアイリーンが着てたユニフォームーーーー!!(≧∀≦)

これ見てるいろんな人たちが、
「『9071』は『くれない』だけど、あーちゃんの『1030』って何なんだろうね?」
って話してたんです。

教えたい……説明したい……伝えたい……ってウズウズしていたら、
ピエールといっしょに来ていたお友達まで「何で1030なの?」って聞くもんだから。

 

アイリーンの誕生日が10月30日なんだよぉぉぉぉっっ!!( ;∀;)

 

とだいぶ前のめりに訴えてしまいました( ̄∇ ̄*)ゞ

だってこの質問かれこれ7~8人に聞かれて答えてる気がするんですもの( ;∀;)

これから殿堂に行かれる皆様、
お連れ様から質問があった際はぜひ教えて差し上げてくださいませ(⌒∇⌒)

なんかもう10月30日っていう誕生日がそもそも可愛いですよねぇ、ゼロが2個も入ってるもん(*´ω`*)(ちょっと何言ってるか分からない)

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ヒャダイン作曲「GOD OF STARS」

今回の作品、ヒャダインさんが楽曲を提供されていることでも話題になっています。

わたくし最近の音楽事情にはとんと疎いのですが、
お名前だけは印象的なのもあって存じておりました(ドラクエ世代なもので)。

たしかももクロとかの楽曲をたくさん作られてるんでしたよね。

正直なところを言いますと、
ピエールはあまり頻繁に外部の作曲家の方に楽曲を依頼するのが、
本当はあまり好きではないのです。

宝塚には座付きの素晴らしい作曲家の先生がたくさんいらっしゃるのに、というのが一つと、
外部の方が作った曲には宝塚という独特の世界観に合っていないように感じてしまうことも過去に何度もあって。

でもこれは自分がもともと好きな作曲家だったら受け入れやすい場合もあるとか、
そういう個人的な理由によっても変わるので一概に言えないところではあるのですが。

 

そんな中で発表された、
紅くんとアイリーンの退団公演におけるヒャダインさんの楽曲提供。

ヒャダインさんがどうこうというのではなく、
外部の方の曲が入るということで作品がどっちに転ぶか、
本音では心配する気持ちの方が強かったのです。

 

そして迎えた初日。

事前にプログラムを読む時間が無かったため、
どの場面の曲がヒャダインさんの提供かとかもまったく前情報無いまま幕が上がり、
プロローグで歌われる主題歌「GOD OF STARS」を聴いたピエール。

 

めっちゃいい曲じゃん( ;∀;)

 

なんかね、すごいノリノリで明るい曲なんですけど、
その明るさが逆に淋しさも感じさせる曲ってあるじゃないですか!?

 

それなの!(語彙力)

 

何て言うのかなー。

めちゃくちゃお祭り騒ぎしてるのに、
間違いく近付いてきている祭りの終わりをみんな気付いていて、
でもその予感を吹き飛ばすように笑ってるときの淋しさって言うんですかね。

文化祭の最終日の夕方みたいな?

イケてないグループに属していた一般人のピエールは文化祭なんて早く終われと思ってましたけどね。

 

で、終わってからプログラムを見たら、
まさにその曲がヒャダインさん作曲ではないですか!( ;∀;)

ヒャダインさん、ありがとう……( ;∀;)(秘技・手のひら返し)

アイリーンの見た夢

そんなヒャダインさんの主題歌で繰り広げられるプロローグ。

プロローグではアイリーンの役名は「天女S」なのに、
紅くん演じる紅孩児から「アイリーーーーン!!!!」って呼ばれてたって話を書いたじゃないですか。

でも後から気付いたことがあるんです。

幕開きの子供時代のアイリーンの回想シーンで、
音波みのりさん演じるお母さんのエレノアから「アイリーンは本当に孫悟空のお話が好きね~」と言われたアイリーンが、
「違うよ!私が好きなのは孫悟空のライバルの紅孩児!私、大きくなったら紅孩児といっしょに西遊記の世界を旅するんだ~!」
って言っていたのです。

プロローグの場面は紅孩児が地上に落ちて来る前の姿を描いているのかと思っていたのですが、
もしかしてこれは、アイリーンの見た「紅孩児と冒険する夢」でもあったんじゃないかと。

紅孩児が「アイリーーーーン!!」と呼んでいたというよりも、
アイリーンが天女になった夢の中で紅孩児から名前を呼ばれていた、という解釈もできるような気もしたのです。

「GOD OF STARS」の主人公である紅孩児=ホンが大暴れする姿(=宝塚の舞台で大活躍する姿)を描くと同時に、
ヒロインのアイリーンが、自分が天女になって紅孩児と旅をする夢(=素敵な相手役といっしょに舞台に立つこと)を描いていたとしたら、
それはそのまま紅くんと(役名じゃない方の)アイリーンの姿にも繋がる気がして、
いろんな解釈ができるプロローグだな~と思いました。

紅ゆずるの退団公演

「GOD OF STARS」はコメディです。

けれど、例えば「ME AND MY GIRL」のようなお洒落なコメディとは少し違う、
七転八倒のドタバタコメディーに近いかも知れません。

小柳奈穂子先生の演出家デビュー作「SLAPSTICK」が、
まさにそんなドタバタコメディーを作る人々の姿を描いた作品だったのを考えると、
小柳先生自身にとってもすごく大好きなジャンルなんだろうなーと(この作品が大好きなピエール)。

さらにその中に紅くんの過去の作品のオマージュも盛り込まれ、
かなりの冒険であり、挑戦でもあった作品だと思います。

 

「GOD OF STARS」の演目が発表になり、あらすじを読み、ポスターを見て。

役名を見て、人物相関図を見て、稽古場情報で話を聞いて。

プログラムの表紙で何作ろうとしてるのか分からないホンの姿を見て(笑)。

「これ相当やばい作品になるんじゃないの大丈夫?( ̄∀ ̄;)」と思った方も少なくなかったと思います。

おそらく小柳先生も、
「これは見方によっては『駄作』『トンチキ』と呼ばれるような作品になるかも知れない」
という恐れは少なからずあったんじゃないかと思います。
(ちなみに僕個人としてはどんなぶっとんだ作品でも「駄作」とか「トンチキ」という言葉で呼ぶのはあまり好きではないのですが)

それは紅ゆずるというスターについても同じで、
個性が前面に出ていてそれを取り上げられやすい紅くんは、
人によっては賛否の分かれやすいスターだと思います。

人間、他人と違うことをするときって、
「こういう理由でこうした方がいいんじゃないかと思うから」と先に弁明して理解を求めたくなるじゃないですか。

けれど紅くんのすごいところは、
「他の人はこうするけど、私はそういうのが好きじゃない」と他のトップスターたちを否定するようなことは一切言わず、
ただただ「私がこうしているのは、私がこういう人間だからです」と自分の姿をさらし続けて来たところだと思うんです。
(ちなみにこれは龍真咲さんとかにも同じものを感じていました)

紅ゆずるという人は、もしかしたら批判されるかも知れないという危険も省みず、
「紅ゆずる」であることを貫き続けて来た人だと思います。

 

そんな紅くんの退団公演である「GOD OF STARS」。

ひたすら「紅ゆずるらしさ」「紅ゆずる率いる星組らしさ」を追求した「GOD OF STARS」ほど、
紅くんの退団にふさわしい作品は他に無かったんじゃないかと思います。

たぶん世界中のどんな偉大な演出家や脚本家にも、
紅くんの退団にこれ以上ふさわしい作品は作れないのではないかと。

それは紅くんに対する小柳先生の愛であり、信頼であり、
大作や名作と呼ばれる作品を目指すのではなく、
「紅ゆずると星組へ最高に楽しい思い出をプレゼントしたい」という覚悟のこもった作品だからです。

そんな覚悟は、紅くんや星組、そして宝塚に対して、
本当に深い愛情を持っている座付きの小柳先生だからこそなせる業だと思います。

これから観る方も含めて、この作品が多くの紅くんファンの心に残り続けるものになることを願っています。

ということで、もうちょっと語りたいこともある気がするので、
次回も引き続き感想を書かせていただきます。

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