観劇レビュー・感想

ラムセスとマッティワザ、とあちゃんとひかるちゃん(「天は赤い河のほとり」感想その2)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

ということで今回は、
宙組新トップコンビ真風涼帆さんと星風まどかさんの大劇場お披露目公演、
「天は赤い河のほとり」の感想の続きを書かせていただきたいなと。

原作および宝塚版それぞれネタバレも入ってしまっているかと思いますので、
これからご観劇予定の方、原作を読んでみようと思っている方はどうぞご注意くださいませm(_ _)m

そういえばピエール、原作を読んだ後の感想を書かせていただいたとき、
仕切りにユーリが現代に残してきた彼氏の氷室くんの話をしてたじゃないですか。

ユーリが古代に来てカイルと恋に落ちてからあっさりその存在を忘れられた氷室くん。

物語が進めど進めど話題に上らない氷室くん。

さすがのピエールも忘れそうになっていたら。

なんと宝塚版では。

 

まさかの幕開きに氷室くん登場(笑)。

 

希峰かなたさんが演じる、大人になった氷室くんがいきなり登場したのを見て。

 

氷室くーーーーーーーーーーーーーーーーーん( ;∀;)

 

と氷室くんが忘れられてなかったことへの安堵感に感動してしまいましたヽ(;▽;)ノ

「天は赤い河のほとり」において最も蔑ろにされた男こと氷室くん。

もうね、この時点でピエールは小柳先生に対し、

 

氷室くんを忘れないでくれてありがとうございますぅぅぅぅ( ;∀;)

 

とお礼を言いたい気分でした(笑)。

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ラムセスの顔が良い。

宙組生として初めて本公演の舞台に立っている芹香斗亜さんヽ(;▽;)ノ

冒頭登場した瞬間から、

 

とあちゃん顔が良い!ヽ(;▽;)ノ

 

ピエール、もしかして今までとあちゃんが演じた役の中で、
今回のラムセスのビジュアルが一番好きかもってくらい好きですヽ(;▽;)ノ

しかし顔が良いのはもちろんですが、
とあちゃんが歌が上手なことがすっかり当たり前になってしまったということに今さら気付いて、
何だかそれってすごいことだよな~と思ったんです。

ピエールがとあちゃんにハマったのはちょうどブログを始めた頃なので、
花組で二番手になった「Ernest in Love」の頃で。

「アーネスト」を観たときはまだ、
「歌もすごく頑張ってるな~」と思う程度で、
まだそこまで伸びやかとか「歌ウマ」とかいうほどの印象ではなかったんですね。

あくまで「がんばってるな~」という段階だったんです。

でも花組で二番手として日々努力と経験を重ねる中で、
公演ごとにどんどん技術的な面で成長していく姿を毎回見せてくれましたよね。

チャラいけどエジプトを思うしっかりとした信念も持っているラムセスは、
普段ふわふわしてるけどしっかりと自分の立場に対する責任も果たそうとするとあちゃんの姿にそのまま重なって。

二番手としての組替えには戸惑ったのも否めませんでしたが、
決して形だけの二番手ではなく、新トップスター真風くんと相対する存在として確固たる役割を果たしているとあちゃんの姿に、
とあちゃんファンになってからの時間の密度を思って感動してしまいました。

 

ちなみに劇中でラムセスがカイルとの一騎打ちの後で、
「いつかお前以上に強大で豊かな国を作り上げる。そうしたら俺の子孫がお前とユーリの子孫を嫁にもらうからな」
と言い捨てる場面があるんですよね。

ピエール、世界史にはとんと疎いので全く知らなかったのですが、
原作の「天河」にはカイルやラムセスの後の時代についても少しずつ触れられていて。

で、そこにはとあちゃんの演じるラムセスについてこんな記述があるのです。

この男、後にエジプト第19王朝を興す、ラムセス1世である。
その孫のラムセス2世はエジプト史上もっとも有名な覇王として現代にまでその名を馳せる。
そしてムルシリ2世(=カイル)の孫娘のヒッタイト皇女がそのラムセス2世の元に正妃として嫁ぐまでには、
まだ遠い年月を待たねばならない。

不勉強なので詳細な史実はよく分かっていないのですが、
つまりはこの「俺の子孫がお前とユーリの子孫を嫁にもらう」というラムセスの宣言通り、
本当にカイルの子孫がラムセスの子孫の嫁になったということですよね!?

もちろんこの台詞自体、後の歴史を知った上でのものですし、
そもそもカイルやラムセスと違ってユーリは実在の人物とは違うのですが。

「天河」という漫画がすごく魅力的な理由の一つは、
ただのフィクションではなく史実にも密接につながって描かれているところなんじゃないかな~と思います。

マッティワザの顔も良い。

それからマッティワザの愛月ひかるさんもまた、

 

顔が良い!ヽ(;▽;)ノ

 

顔にキズがある役だけどそれでもなお顔が良いヽ(;▽;)ノ

マッティが舞台の中央から後ろ向いた状態でせり上がってきて、
バッ!って振りむいたひかるちゃんに客席から拍手が贈られた瞬間、

 

パチパチパチパチ!!!!ヽ(;▽;)ノ

 

ってピエールも拍手しながら泣きそうになりましたよヽ(;▽;)ノ

 

マッティワザはですね、原作でも比較的序盤(たしかラムセスより先)に登場して、
カイルに敗れた後は終盤までしばらく姿を見せないのですよ。

そういう流れもあって、宝塚版でもひかるちゃんの出番は決して多いわけではなく、
序盤に登場してから終盤までしばらく出てこなくなってしまうので、
「もっと見せ場が欲しかった~(´;ω;`)」という気持ちも無いと言っては嘘になるのですが。

一場面で一気に登場して戦って過去をさらっと明かして敗退、という感じなので、
もう一声時間をかけて過去を深堀りして描いてくれたらな~という気持ちもあったり。

これは原作ものにはつきものの葛藤なのである程度は仕方ないんですけどね。

あと、たしか漫画でもさらっとしか描かれてないのですが、
マッティワザには彼を慕うナディアという側室がいて、
当初は側室の一人でしかないのですが心から彼を愛しているナディアは、
マッティワザが敗北したときに彼といっしょに亡命していくのです。

そのナディアが登場するだけでももう少しオイシイ役になったんじゃないかな~とひかるちゃん推しとしては思ってしまったんですが、
これを言い出したらあのキャラもこの人物もとキリが無くなってしまいますよね(^^;)

 

でも、そんな短い出番の中でもすごい存在感を示していて。

一時間半でコンパクトにまとめることを優先するなら、
宝塚版ではマッティワザを敢えて登場させないという選択肢もあったかも知れません。

でも、それでは原作ファンの人からは「マッティワザは出ないのかぁ(´・ω・`)」という声も出てしまったと思うんですよね。

原作への経緯を示すためには、やっぱりマッティワザを外すことは難しい、
けれど短い出番でまだ男役として発展途上の下級生に脇役として演じさせていたら、
マッティワザの存在がすごくとってつけたように中途半端なものにもなってしまう。

「エリザベート」のルキーニとか、「神々の土地」のラスプーチンとか、
正統派の男役とは違うけれどすごく存在感が求められる役をたくさん経験してきたひかるちゃん。

そんなひかるちゃんだからこそ、
あの短い時間の中で、原作ファンにとっても大切なマッティワザという役を演じることができるのではないかと。

 

同期のとあちゃんと、ついに同じ舞台に立ったひかるちゃん。

絶対的二番手として組替えしてきたとあちゃんと、間違いなく今の立場に隔たりはありますが、
ひかるちゃんの活躍もまだまだここから続いていく!

マッティワザの輝きは、そう確信させてくれる存在感だったと思います。

 

「天河」という作品はたくさんのキャラクターが登場する作品ですが、
20周年の宙組で「天河」が上演されているのはこれすなわち、
今の宙組が発足時に匹敵するくらい充実している証なのかも知れないな~と。

その中でもひかるちゃんは昔ながらの男くさい男役像を受け継いでいる人だと思いますし、
20年前のスターのような男くささも備えた男役だと思うのです。

愛月ひかるのような男役を大事にできるかどうかで、
決して大げさではなく宝塚の今後20年の姿も大きく変わっていくような気がします。

 

そんなわけで、まだ大事なあの方のことに触れていない!ので。

ちょっと長くなってしまっているので、また次回の記事で続きを書かせていただきたいと思います( ^ω^ )

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