観劇レビュー・感想

グランドホテル愛しても1/3も伝わらない(「グランドホテル」感想)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

いや~、今日は特に大きなニュースとかは無かったと思うんですけどね、
明日あたり雪組の次期トップコンビが発表になったりして……とか考えてドキが胸胸してるんですよねぇ(・_・;)

だってホラ、明日って、
2月10日でございましょ??

 

「ふうとの日」でございましょ??

 

さすがに今回ばかりは、少なくとも男役トップスターに関しては、
もう誰がどう考えても210さんしかいないでしょうし……。

意外と最近の宝塚ってこういう(良い意味で)分かりやすいことをしてくると言いますか。

紅ゆずるさんが2008年の「THE SCARLET PIMPERNEL」で最初で最後の新人公演主演を果たしたのが7月8日、
そして昨年、紅くんの大劇場お披露目公演が「スカピン」だと発表されたのも7月8日という、
もう狙ったとしか思えない愛のこもりっぷりでしたし。

それから七海ひろきさんの「Brilliant Dreams +NEXT」の第1回の初回放送も、
昨年の7月3日の夜7:30という「ななみの日のななみの時」だったり。

これはね~、本当にふうとの日の発表もあるんじゃないかな~と思ってりするんですが、
雪組は中日劇場公演中だし、まだちょっと発表には早いのかな~。

と、明日もマジソワな一日になりそうですが、
とりあえずそれはそれとして……。

 

ということで大劇場遠征で観劇致しました、
月組新トップコンビ珠城りょうさん(たまきち)と愛希れいかさん(れいか様)の大劇場お披露目公演、
「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」

なかなか感想を書けずにおりましたが、ようやく書かせていただきます!

あ、ちなみにタイトル見てピンと来た方はピエールと同世代かも知れません( ̄∀ ̄)

SIAM SHADEの「1/3の純情な感情」でございます。

「壊れるほ~ど愛~しても~1/3も伝~わらな~い♪」のところを、
「グランドホテ~ル愛~しても~1/3も伝~わらな~い♪」と替え歌にしてお楽しみください。

ピエール、SIAM SHADEは特にファンとかでは無かったんですけどね、
この曲はさすがによく覚えております。

「るろうに剣心」のエンディングテーマに起用されていたこともあるので、
あながち宝塚ファンに無縁の曲というわけでもありませんのよ?( ̄∀ ̄)

ということで、本日は「グラホ」の感想を書かせていただきたいなと。

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大人の香り漂うミュージカル

ご存じこの作品は超有名なブロードウェイミュージカル。

宝塚ファンになってからピエールもかれこれいろんな海外ミュージカルに触れてきましたが、
中でもこの「グラホ」はすごく大人の香りに満ちた作品だと感じました。

そしてものすごく「圧」を感じると言いますか、
決してその「圧」はたまきちくんの胸板の厚さのせいだけではないのではないかなと(笑)。

たぶん、この作品をピエールが宝塚ファンになって間もない頃に観ていたら、
全然その魅力が分からなかったんじゃない気がします。

かと言って今ならそれが全て分かるようになったかと言うとそうでもなく、
たぶんこの作品の魅力の3分の1どころか10分の1も受け止めきれてないんじゃないかなと思います。

では面白くなかったかというとそうではなく、
残りの10分の9が必ずあることを感じさせるところがすごいと思ったんですよね。

上手く表現できないんですが、
自分の知らない何かがあるはずで、だからこそこの作品がそれだけヒットしたんだろうなと。

ただ単につまらなかった作品や好みじゃない作品を観たときって、
もっと「だいたい分かったけど面白くなかった」っていう気分になるんです。

でも「グラホ」は、「すっごく面白かったー!(≧∀≦)」っていう気分でこそないけれど、
もっと何回も観ていたらまた別の何かを見つけられそう、とか、
もっと年を取ってから観たら今とは違う感覚で観られそう、とか、
そういう深みとか「伸びしろ」のようなものがすごく秘められてるのを感じたのです。

宝塚の公演が毎公演毎公演「グラホ」みたいな作品だとちょっとアレですが、
たまにこういう作品があるというのは面白いな~と。

そういうところにも宝塚という世界の器の大きさというか、
「こういうのもやるよ!」っていう柔軟性みたいなのを感じます。

 

ガイゲルン男爵を演じた新トップスターたまきちくん。

初日映像を見たときよりグッと男っぷりが上がっていた気がします。

あのときはまだちょっとぎこちなさが画面を通しても伝わってきた気がして、
「がんばれ!たまきちがんばれ!」っていう思いで見ていたんですが、
いざ生で観たらすっかり男爵になったたまきちくんがそこにいました。

とは言え、異例の若さでトップに就任したたまきちくんも、
まだまだこれからの「伸びしろ」の人。

決してここがたまきちくんのゴールではない、
トップとしては「これから」というのを感じたのも事実です。

でも、トップになったときから完成していたらそれはもちろんすごいですが、
トップになってからどんどん進化を感じさせてくれた方もたくさんいました。

きっとこれから作品を重ねるごとに、
もっともっとトップスターらしくなった姿を見せてくれるんだろうな~と思います。

正直最初にお披露目で「グラホ」と聞いたときは、
何でこれから始まる!っていうお披露目公演で、
群像劇で主役がはっきりしないグラホなのかな~と思う気持ちもありました。

でも今回実際に観ていて、
何だか主役としての重責をたまきちくん一人に背負わせない、
月組みんなで新しい時代を作っていこう!という雰囲気を感じました。

この演目を選んだこと自体にそんな意図があったかどかは分かりませんが、
少なくとも舞台上からはそんな一つになった月組の思いを感じた気がします。

 

余談ですがガイゲルンと「北関東の瞳」こと美弥るりかさん演じるオットーが親しくなって、
ガイゲルンの助言でオットーが株を買って一晩で大儲けするくだりがあるじゃないですか。

あれを見ていてピエールは思いましたよね。

僕にもどの株を買ったら儲かるか教えてくれる男爵が欲しい……!

オットーの話が出たのでオットーの話に飛んでしまうとですね、
大儲けしたことを男爵に報告しに来たオットーが、
「私のやってたことと言ったら、寝てるくらいでした~」って、
手すりみたいなところにぶら下がってブラブラするシーンがありまして。

あのシーンの美弥ちゃんがホントに愛らしくて(//∀//)

大好きだった涼風真世さんが退団公演で演じたオットーを演じていることで話題になっていますが、
美弥ちゃん、このオットーという役が演じられてることが本当に楽しいんだな~というのを、
あのシーンで一番強く感じた気がしました。

美弥ちゃんのことは結構前から好きではあったのですが、
どちらかと言うと最初は人柄先行で好きになっていたので、
舞台上の美弥ちゃんの強みって何なのかとかそういうのは詳しく知らなかったことに気付きまして。

でも今回のオットーという役を見て、
すごくお芝居の面白い人なんだな~というのを感じました。

そういえばオットーって余命わずかということでよく咳き込んだりよろめいたりしてますが、
「燃ゆる風」で竹中半兵衛を演じていた「北関東の恋人」こと七海ひろきさんも咳き込む役でしたよね。

同じ時期に北関東の2人が大劇場とバウでそれぞれ病気と闘っていて。

ここにお馴染み死ぬほど風邪を引く「北関東の弟」ことピエールも加わり。

「北関東の病人たち」が3人宝塚に集ったことになります!(・∀・)
(注:遠征時はいたって健康体でしたのでご安心ください)

 

そしてヒロインのグルーシンスカヤを演じたれいか様。

グルーシンスカヤって40才超えて旬を過ぎてしまったバレエダンサーという役どころですが、
普段あんなに可愛いれいか様が、
もうどっからどう見てもグルーシンスカヤなのですよ!

もうね、あんまりグルーシンスカヤになりすぎて、
「え?れいか様もしかして本当に老けちゃったの?(;・∀・)」って心配になるほどに(笑)。

でもショーが始まったらまたいつもの可愛いれいか様が出てきたので安心しました(//∀//)

この公演、もしかしたられいか様が一番体力と精神力を消耗する役だったんじゃないかなと。

全体的に緻密な演出に沿っている作品なので、
他のキャストの方々もかなり張り詰めた緊張感の中で演じているのは伝わってきたんですが、
グルーシンスカヤがちょっとでも可愛くなっちゃったり初々しさが見えちゃったりしたら、
もうその瞬間に成り立たなくなる作品だと思うんですよね。

しかしれいか様は最初から最後まで、
それこそ頭のてっぺんからつま先まですごい集中力がみなぎっていて。

しかも何が疲れるって、
芝居ではあんなちょっと年の行った女性を演じていながら、
ショーではまた可愛い娘役に戻るわけじゃないですか。

2回公演の日はあれを2往復してると思うとすごい大変だろうな~と。

そうそう、ちょうど最近タカラヅカニュースで「キャトルdeデート」というコーナーの月組編が放送されまして、
れいか様と共に朝美絢さんと暁千星さんがキャトルレーヴで買い物デートしていたんです。

大劇場でグルーシンスカヤを見てから、
大変失礼ながら心のどこかで「れいか様も年取っちゃったのかなぁ」という思いが残っていたのですが、
この「キャトルdeデート」のれいか様を見てピエールは気付きました。

 

激カワ!(//∀//)

 

いや~、ずるいよ~、あの振り幅~(*´∇`*)

もうね、ホントに可愛くて、とにかく可愛くて。

もし学生時代に同じクラスにれいか様みたいな子がいたら、
授業中とかずっとこっそり眺めてドキドキしちゃってただろうな~(//∀//)

仮に真後ろの席だとしてももうバレてもいいから思い切り後ろ向いて眺めたくなる可愛さだと思います(笑)。

 

ちなみに役替わりが行われているこの公演、
ピエールが観劇したのはグルーシンスカヤの付き人ラファエラは暁くん、
ホテルマンのエリックは朝美ちゃん、
そしてタイピストのフラムシェンは海乃美月さんというパターンの回でした。

ちょっと意外だったのが、
ラファエラって思ってたよりも出番の少ない役に感じたんですよね。

初演の涼風さんバージョンのときは、
次期トップスターとなった天海祐希さんが演じてたのがこのラファエラなんですよね?

なのでさぞや見せ場の多い役なんだろうな~と思っていたのですが、
実際は暁くんの学年から鑑みても無難な出番の役だったと言いますか。

初演とは結構変わってるのかな?

赤坂ACT版で樹里咲穂さんが演じていたラファエラも、
もうちょっと目立ってた気がしたんですよね。

でもこの性別不詳感のあるラファエラという独特な役は、
それだけ存在感のある人でないと演じられない役だとも思うので、
舞台のどこにいても存在感のある暁くんはうってつけだった気もします。

一方の朝美ちゃんの演じたエリックも、
決して大きな見せ場の多い役ではありませんが、
直立不動で物静かな印象のラファエラに対し、
妻の出産を控えて落ち着かない、不安を表に出す側の人物であるエリック。

いろんな人間くさい大小様々な欲望が渦巻くグランドホテルの中において、
数少ない、純粋に自分以外の誰かのために生きているエリック。

そんなエリックが、イケメン、いや、「ド」が付くほどのイケメン、すなわち「ドイケメン」ながら、
そのイケメンぶりをまったく嫌味に感じさせない滲み出る誠実さを持つ朝美ちゃんにもすごく合ってた気がします。

このエリックも、すごく真面目で良い人なので、
真面目だけど面白味の無い人が演じるとすごい地味な役になりかねない気がするんですよね。
(ピエールは不真面目かつクソ面白くもないどうしようもないタイプ)

でも朝美ちゃんは飛び抜けたスターオーラも持ってる人なので、
「こんなイケメンなのに性格もいい旦那さんがいたらな~」
みたいな存在なのではないでしょうか(笑)。

 

それからフラムシェンを演じた海乃さんは、
おそらくもともと持ってるキャラクターは落ち着いたタイプなので、
「頑張って弾けてる」という感覚はやっぱりちょっと感じてしまいましたかね~。

でも独特の艶めかしさを持つ方というイメージがあるので、
華形ひかるさん演じるプライジングが手を出したくなる欲求に駆られるのも納得という感じがしました。

ピエールが赤坂ACTで観たときは、
ちょっとお名前は忘れてしまったんですがすごく小柄な方がフラムシェンを演じていた記憶がありまして。

フラムシェンのキャピキャピしたキャラにはすごい合ってたんですがその分あまり色気は無くて、
プライジングに迫られる場面はおっさんが幼児を襲ってるように見えてしまったんですよね(^^;)

でも海乃さんのフラムシェンはその辺の色気もしっかり感じられました。

そういえばこの「グラホ」は他の人がお芝居している後ろや脇で、
時間が止まったように同じ動きを繰り返したりするんですが、
男爵か誰かがお芝居してる場面の横でプライジングの前で変な踊りを繰り返すフラムシェンがツボでした(//∀//)

何て言うか、「何やってんの?」

どう表現したらいいか分からないのですが、
とにかくこれからご覧になる方は注目してみてください( ̄∀ ̄)

 

ということで、ショーの方の感想はまた別途書かせていただきたいと思うんですけどね。

せっかく大劇場で観ることができたのに、
遠征の最初のイベントがこの「グラホ」だったんですが、
その夜にピエ茶で太字と改行なしで表現されるような怒涛のトーク、
そして翌日はバウを観劇してすぐ新幹線という、宝塚牛乳のプリンのように濃厚なスケジュールだったので、
すでに若干記憶も薄れてきてしまっており……( ̄∀ ̄;)

何事も無ければ東京でももう一回観られる予定なので、
大劇場と東京を見比べられるという貴重な機会、
さらに進化した新生月組の姿をこの目で見届けたいと思います!( ´ ▽ ` )ノ

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