観劇レビュー・感想

瀬落ち物語シーズン2(「デビュタント」感想その1)

こんばんは。

七咲ぴえるでございます。

スーパーで売ってるお刺身とか、居酒屋で出て来るお刺身とか、
基本的にはワサビが付いてくるじゃないですか(唐突)。

でも、カツオとかアジとかにはショウガが付いてきたりしますよね。

ピエール、あれが昔から納得いかなくてですね。

個人的に、刺身には種類に関わらずワサビを付けて食べたい派なのです。

ショウガが嫌いなわけじゃないんですが、
刺身にはワサビ、これが自分なりの好みなのです。

ピエールがいつも行くスーパーはお刺身の中には何も入ってなくて、
魚売り場に置いてある小分けのワサビやショウガを自分で一つもらっていいスタイルなので、
何の魚であろうとワサビをもらって帰るからいいんですけどね。

たまに当たり前のようにワサビではなくショウガが入れられていると、
「カツオにはショウガってお前の好みを押し付けてんじゃねーよ!」って気分になってしまうんですよね。

 

ということで本日は、先日バウホール遠征して観劇してまいりました、
瀬央ゆりあさん主演の星組公演「デビュタント」の感想を書かせていただきたいなと。

この記事自体は一週間前くらいに書いていたのでもっと早く更新しようと思っていたのですが、
先週は退団や組替えといった発表が相次いで気付けば千秋楽が近付いてしまいました。

まるでこないだの発表を受けて書いているような部分もあるので公開するのやめようかとも迷ったのですが、今週は疲れ果てて書き直す気力も無いのでそのまま公開させていただきます(やけっぱち)。

 

結論から言うとすごい好きな作品で観れて本当に幸せでした(*´∇`*)

もともと正塚晴彦先生の作品が大好きなのですが、
正塚作品って大人の雰囲気の作品が多いので若手主体の公演だと結構難しいと思うんです。

でもせおっちを始めとする主要キャストの皆さんがすごくハマっていて、
ご本人たちのキャラクターも生かされる役柄や設定なので無理なく演じられていましたし、
この辺がやっぱり座付き作家による当て書きの楽しさだよな~と。

脚本というかストーリーの「よくできてる感」で言ったら、
過去の正塚作品の中にもっと完成度の高い作品はたくさんあるとは思いますが、
でも何より正塚作品の大人の雰囲気は存分に楽しめる作品です。

それも研10で単独初主演のせおっちが、想像以上に正塚作品を自分のものにしていたからこそだろうなと。

せおっちって「せおwww」っていじられキャラのイメージもありますが、
パッと見のビジュアルとか個性とかはすごく正統派な男役になる素質を持った方だと思うんです。

だからきっとこういうスタイリッシュな作品も似合うんじゃないかなーと思っていたんですが、
正直ここまでハマるとは思ってなかったのでただただ夢中になって観てしまいました。

ピエール、初めて新人公演を生で観たのが、
せおっちが最初で最後の新公主演を果たした「ガイズ&ドールズ」だったので、
そういう点でもせおっちって特別思い入れのある男役さんの一人で。

でもあのときは初主演でかなり緊張も感じられた記憶があったのですが、
正塚作品特有の短くてテンポの速い台詞のやりとりもすごく自然にこなしていて、
チャンスを与えられれば与えられただけ成長する人なんだなと改めて感じました。

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話していて楽しい人

ちなみにここから先、人によって、
例えば「95期ファン」の方とかにとっては不快に感じる内容になるかも知れませんので、
「95期こそ全て!」という方は読まずにスルーしていただけたらと思います。

で、ちょっと話がいったん逸れるんですけどね。

ピエール、ブログを初めてもうすぐ丸4年になるんですが、
その間に本当にいろんな宝塚ファンの人と接するようになって、
「自分はこういう人と話してると楽しい」という法則みたいなものが何となくいくつか分かってきたんです。

一つ目は、シンプルに「ご贔屓がいっしょの人」。

これはまぁ当然と言えば当然ですよね。

でも必ずしも贔屓が違っていても話していて楽しい人もたくさんいるということが分かってきて。

そこで出て来る二つ目の法則が、
ご贔屓は違っていても、「価値観みたいなものが共通している人」。

例えば、細かい好みが違うから好きになるスター自体は違うけど、
「ジュクジュクに熟した男役さんが好き」とか「大人っぽい娘役さんが好き」とか、
「歌唱力とかよりも宝塚でしか育まれない男役力・娘役力があってビジュアルが好みの人が好き」とか、
求めているものがいっしょだと話していて「その気持ち分かる!」ってなって楽しいんですよね。

三つ目は、これは「NOT条件」みたいなものかも知れませんが、「マウンティングしない人」。

例え同じスターのファンであっても、
「自分の方が昔からファンなのよ」とか、
「自分の方が○○さんのことよく知ってるんだから」みたいにマウンティングしてくる人って、
「別に自分はあんたの話を聞いてあげるためにファンやってるわけじゃねーよ」ってなってストレスになってしまうので。

逆に自分よりもずっとファン歴長いのに対等に話してくれる人と話してると、
単純に人としてすごい尊敬できるようになったり。

そして最後もNOT条件なのですが、「自分の好みを押し付けない人」。

高校時代の(当時は面識の無かった)同級生で宝塚ファンの子がいるというのを聞いて、
社会人になって2~3年目くらいのときに紹介されて一度その子と会ったことがあるんです。

会う前は「高校の同級生で宝塚ファンの人と知り合えるなんて嬉しいな~」と思っていたんですが、
実際に会ってみたらその子が好きな男役さんの話をものすごい熱量で聞かされて。

僕もその男役さんが好きであれば意気投合していたかも知れないのですが、
その当時はその方にさほど関心が無かったのでちょっと疲れてしまい、
結局その一回きりでその子とは会わなくなってしまいました。

やっぱり自分と同じ人を好きになってもらえるのって嬉しいものだと思いますが、
ピエールは自分の贔屓は自分で見つけたいという願望があるのか、
「私の好きな☆☆さんいっしょに応援して!!」って人から言われると逆に引いちゃうタイプなんですよね。

そのご贔屓を同じ熱量で語ることを求めるのではなくて、
あくまで「自分はこの人が好き」という会話であれば楽しいのですが。

 

ブログではひたすら自分の好きな人のことを(おそらくうっとうしいくらいに)書いているけど、
読む側からしたら興味無ければ読み飛ばしたり画面閉じたり自由じゃないですか。

こないだもピエ茶の某初期メンバーの方ですら、
「興味無い話題のときは全く読まずにスクロールして帰ってる」っておっしゃってましたし(笑)。

だけど対面で会話するときとかLINEで一対一で話してるときって、
「僕の好きな○○さんの話を聞いて!!!!」って無理やり聞かせると相手が困るんじゃないかと思って、
こう見えてあまり自分の話を積極的にしすぎないように、
「聞かれたら答える」程度にしてたりするつもりだったりします(^^;)(時に暴走してるかも知れませんが)

ということを踏まえて話の続きに戻りたいと思います。

一人の男役としての瀬央ゆりあ

せおっちは、ご存知の通りスター揃いの95期生。

新公主演経験のある男役さんだけで7人も擁する95期の中で、
せおっちは一番最後にバウ主演を果たしました。

特に95期の中でも一、二を争う出世頭、
「サッカー少年」とピエールは呼んでいる礼真琴さんが同じ星組にいて、
同じ95期でも差を付けられてきたのはおそらく誰もが認めるところだと思います。

僕も先に目が留まって「この人上手だな~」と思ったのはやっぱり礼少年でしたし、
せおっちのことを知ったのはそれからだいぶ後になってからでした。

でも上述の通り「ガイズ」の新公を観ることができたことでせおっちに落ちて(「瀬落ち」と読んでいます)、
「少年にだいぶ先を越されてるけどせおっちももっと活躍できたらいいな~」と思ってきました。

 

一方(ここからが特にデリケートな話)、
最近は劇団自体が95期の方々をどんどん上げようとしているのを感じて(そう感じているのが自分だけならごめんなさい)

ファンが「95期ファン」と言うのは個人の応援の仕方の自由だからいいのですが、
劇団側が特定の期とかを「箱推し」するのって何か違う気がして。

「95期を特別扱いしてるわけじゃなくて単に95期に逸材が多いだけ」と言われればそれまでですが、
たしかに95期はすごいけど、その躍進の裏で割を食ってる気がする他の期の方々のこととかを思うと、
ちょっと95期を応援する気持ちも以前より萎えてきてしまっていたというのが正直なところで。

先に書いたように人から「この人を好きになれ」と言われると引いてしまうタイプなので、
劇団から「これからは95期の時代です」と言わんばかりの95期推しをされてしまうと、
「誰がスターになるのを夢見るかは自分で決めさせて欲しい……」と思ってしまい。

95期に限らず、もし劇団がそういった「箱推し」を意識しているとしたら、
どうか、もっと一人一人のスターの持つ力を信じて欲しい、と切に願うのです。

そんなブランドを添えなくてもタカラジェンヌは一人一人が十分ファンを獲得する力を持っていると思いますし、
それができるからこそ「スター」なんだと思います。

けれど「95期の時代」を過剰に演出されているように感じる中で、
95期の中で一番好きだったせおっちのことさえも、以前よりちょっと距離を置いて見ている気持ちになっていました。

なので、今回せおっちの単独初主演の「デビュタント」が観れることは本当に嬉しかったけど、
せおっちの初主演をどんな気持ちで受け止めることになるのか、ちょっとやきもきしていたりしました。

 

でも、今回「デビュタント」で真ん中に立つせおっちの姿を見て、
「ああ、やっぱりせおっちのこと好きだわ~」って引き寄せられたんですよね。

他の95期の方々よりも遅い初主演だからかも知れませんが、
自分の好きな大人の男役像にもすごく近い人だというのを感じましたし。

「95期だからせおっちを好きになった」というわけではない自分にとって、
最近は逆に「95期のせおっちは自分が応援しなくてもこれから上げてもらえるんだろう」という気持ちになっていたけれど、
何期かとか関係なく、やっぱり瀬央ゆりあという男役が好きだなということに気付きました。

「かもめ」「鈴蘭」「阿弖流為」と、
「主演・礼真琴」の公演には必ずいっしょにいたせおっち。

けれど、今回はせおっち自身が初めて舞台の真ん中に立つ瞬間が来ました。

「95期の瀬央ゆりあ」ではなく、
「礼真琴の同期の瀬央ゆりあ」でもなく。

一人の男役として、せおっちにはせおっちのペースで上がっていって欲しいし、
「デビュタント」はそれが決して夢ではないことを知らしめる公演だと思います。

「ガイズ」の新公で「瀬落ち」したピエールですが、
単独初主演の「デビュタント」で自分が再び「瀬落ち」したのを感じております。

感想と言いつつピエールの「瀬落ち物語」でだいぶ長くなってしまいました。

ご清聴ありがとうございましたm(_ _)m

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