観劇レビュー・感想

こんなだいもん待っていた!(「誠の群像」感想その1)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

ということで、実は先日の週末、
雪組トップコンビ望海風斗さん(だいもん)と真彩希帆さんを中心とした、
全国ツアー公演「誠の群像/SUPER VOYAGER!」を観劇してまいりました!

思い起こせばあれは星組中日劇場公演に遠征した帰り、
すなわち初日の翌日の2月3日(土)のことでした。

ピエール、ご存知の通り雪組のもう1チーム、
「鎌倉の妖精」こと朝美絢さん主演の「義経妖狐夢幻桜」への遠征を狙っていたわけですが、
今回の全ツで一番近い神奈川の公演は、
ちょうど「義経」の公演期間の週末と重なってしまっていて。

なので当初は全ツの方は諦めていたものの、
「まぁ、どうせ当たらないだろう」と思って某プレイガイドの抽選に一つだけ申し込んでいたのです。

そしたらちょうどその結果のメールが名古屋からの帰りの新幹線に乗っているときに届きまして。

「あ、落選メールが来たわー」と思って開いたら、

 

「チケットのご用意ができました」

 

えええええええええええええええ!!!!(;・∀・)

 

絶対当たるわけないと思ってたのに……これくらい力まずに申し込んだ方が取れるもんなのでしょうか……(笑)( ;∀;)

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こんなだいもん待っていた!!

ということで本日は「誠の群像」の感想を書かせていただきたいなと。

ピエール、これを観ながら一番感じていたのが、

 

こんなだいもん待ってたよ!ヽ(;▽;)ノ

 

という気持ちでして。

それは二つの理由からなのですが、
一つずつご説明させていただきますね。

まず一つ目は、今回だいもんが演じた土方歳三という人物。

ご存知、日本人に大人気の新選組の中でも、
おそらく沖田総司と並んで人気を二分するのが土方副長ではないかなと。
(と言いつつピエールは山南さん推し)

今までだいもんが演じてきた人物、
特にピエールがこのブログ初めてから主演した役に限って振り返ると、
アル・カポネ、ドン・ジュアン、ロベスピエールと、
どれも正統派の主人公というよりは、
「悪のイメージがある人物の別の一面を描いた作品」という感じだったのではないかなと。

でも、ドン・ジュアンは架空?の人物なのでちょっと違いますが、
アル・カポネとロベスピエールってやっぱり悪のイメージが浸透しすぎていて、
それを主人公として受け入れるのにはやっぱりどこか引っかかりがあったんですよね。

それはそれとして魅力的な作品なんですが、
だいもんに限って言えばそういう役ばかりが続いてしまって、
そろそろ正統派の主人公も演じて欲しいなと思っていたのです。

「琥珀色の雨にぬれて」のクロードもなかなかゲスイ男でしたし……。

そんな中で巡ってきた土方歳三。

もちろん土方も、見方によっては何人もの人を斬ってきた残忍な新選組を束ねた鬼の副長という面はあるのですが、
これまでの役に比べると他の作品でもヒーロー的なイメージもある人物なので、
ずっと正統派の主人公として描きやすい人物なんじゃないかなと。

 

もう一つの理由は、
この「誠の群像」という作品がだいもんの「男役力」がいかんなく発揮される作品だということです。

だいもんと言えば「歌唱力」、
それも間違いなく真実だと思います。

でも個人的には、生粋のヅカオタジェンヌであり男役を心から愛するだいもんならではの「男役力」、
歌だけでない総合的な「男役力」こそがだいもんの魅力だと思っていて、
だいもんについて語られるときに歌唱力ばかりが強調されるのが、
だいもんの男役力に惹かれている人間としてはちょっと淋しかったのです。

「誠の群像」は「ドン・ジュアン」「ひかりふる路」
あるいは再演が発表された「ファントム」とかに比べると、
決して歌の比率が高い作品ではないので、
だいもんの歌唱力がこれらの作品に比べたら堪能できない作品かも知れません。

でもその分、歌ばかりが強調されない作品だからこそ、
だいもんの男役力が引き立つ作品なんじゃないかと思うんです。

「誠の群像」の再演が発表されたとき、
にわかながら新選組が結構好きな人間としても観てみたいと思ったのと同時に、
「『誠の群像』でのだいもんが見てみたい!」とすごく思いました。

そして同時に、ちょっと偉そうな言い方に聞こえるかも知れませんが、
「『だいもん=歌』と思ってる人たちに、歌だけじゃないだいもんの魅力にも気付いてもらえる作品になるはず!」
と思ったんです。

実際に観劇してみて、やっぱりその期待を裏切らないだいもんの男役力がいかんなく発揮されている作品でしたし、
個人的には今までのだいもんの主演作の中で一番好きな役は土方歳三になりました(≧∀≦)

次の「凱旋門」は主演ではなく、
その次の「ファントム」は再び歌唱力がフィーチャーされる作品になるとは思いますが、
願わくばさらにその次の作品は「誠の群像」のようにだいもんの総合的な男役力が際立つ作品を当て書きで観られたらいいな~と思いました。

大阪生まれの江戸っ子・彩凪翔

勝海舟を演じた彩凪翔さん。

勝海舟独特の「てやんでい」な口調、
翔くんは大阪出身なのでなので逆に難しかったかも知れませんが、
これがすごいハマっていて超カッコ良かったです!(≧∀≦)

配役が発表になったときも、
「きっと翔くんの勝海舟カッコイイだろうな~」と思ったんですが、
想像を上回るカッコ良さで!

初演はスカイステージで一回観ただけなのですが、
初演で紫吹淳さんが演じていた勝もすごく好きだったんですよ。

血気盛んで粗暴な男の多い新選組に対して、
勝は口は悪いけど野性的な男たちとは違う「理性」と「知識」で動くタイプで、
どこか異彩を放っているところが紫吹さんのキャラクターともすごいハマっていて。

勝海舟って間違いなくあの時代を動かした中心人物の一人で、
新選組はむしろ動かされた側かも知れなくて、
おそらく敵に回したらすごいムカつくタイプの男だと思うんですが、
味方だとしてもこういう人を食ったようなタイプって結構ムカつきますよね(笑)。

通常はわりとオジサンが演じるイメージだったんですが、
紫吹さんといい翔くんといい、宝塚ではすごい色気のある男役さんが演じていて、
宝塚だけ見ていると勝海舟ってすごいイケメンの色男だったのかって錯覚しそうです(//∀//)

 

余談ですが、僕は見てなかったのですが「龍馬伝」で勝海舟を演じたのは武田鉄矢さん(結構賛否が分かれたらしい)。

その武田さんが以前、歴史小説の巨匠である司馬遼太郎さんについて話していたときに、
「自分は小説で人間の相場を変えたい」と言っていたという司馬さんの言葉を紹介されてたんです。

日本史の教科書的にはあまり重要視されていなかったのに、
司馬さんの小説で注目されるようになってすごく人気になった歴史上の人物がたくさんいるらしく。

司馬さんはそれがまさに歴史小説を書く原動力になっていたそうで、
歴史の陰に埋もれていた人物に日を浴びせることができるのがきっと嬉しかったんだろうな~と。
(と言っても僕は恥ずかしながら司馬さんの作品を全然存じ上げないので完全なる想像ですが)

この「人間の相場を変えたい」っていう言葉を聞いたとき、
宝塚ファンにとっても共通する気持ちなのかも知れないと感じたんです。

宝塚って決して平等にチャンスが与えられる世界じゃなくて、
たぶんファンが思ってる以上に劇団には最初からある程度「この生徒をスターに」と考えた既定路線が敷かれているんだろうなと思うんです。

でも、ただそれを受動的に受け止めて、
「ハイハイ、次はこの人をスターにするんですね~」と見ているだけでは教科書同様つまらなくて、
例え劇団からは超一推しされている生徒さんじゃなくても、
自分が本当に魅力を感じた人に真ん中に立って欲しい!という気持ちを抱いて、
いつかその日が来ることを夢見て応援することこそ至上の喜びだと、
人によって違うとは思いますが少なくとも僕は思っていて。

感情移入し過ぎず劇団が提示してきた結果だけを受け止めていた方が気持ちは楽かも知れませんし、
深入りし過ぎたことによって裏切られたように一方的に感じてしまうこともあるとは思いますが。

でもやっぱり自分が魅力的だと感じる人を心から応援して、
その人のことをまだ知らない人にも届くくらいにその魅力を叫び続けて、
ときには劇団の構想を覆して「劇団が設定したスターの相場が変わる」ほどのドラマが生み出されるくらいに応援する。

ファンがそれくらい夢中になれるのって幸せなことだなと、
「誠の群像」に登場するいろんな人物たちに思いを馳せながら感じました。

 

ということでちょっと話が逸れましたが、
続きはまた次回書かせていただきます。

新選組隊士を始めとにかく雪組の皆さんがカッコイイので、
これからご覧になる会場の皆様どうぞご期待ください!( ´ ▽ ` )ノ

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