観劇レビュー・感想

男って馬鹿ね(「WEST SIDE STORY」感想その1)

こんばんは。

宝塚男子ピエールです。

いや~、今日はすごい雪ですね~。

天気予報で「大雪」って言っても煽るだけ煽って大したことないことも多いので、
今回もみぞれくらいで終わるんじゃないかなーなんて思っていたら普通に暴風雪でビックリ致しました。

とりあえず東京で公演中の雪組さんも宙組さんもちょうど休演日だったのが不幸中の幸いかも知れませんね。

出演者の皆さんはせっかくのお休みに外出もできなくて残念かも知れませんが、
その分ゆっくりお休みできていたらいいなーと……。

ちなみにピエールはいつもより一時間くらい早く帰宅指示が出されましたが、
電車がなかなか進まなくて何やかんや帰宅したのはいつもと同じくらいでした。

まぁそれでも無事に帰れて良かった良かった……。

 

ということで、ようやく観てまいりましたよ!

宙組新トップコンビ真風涼帆さんと星風まどかさんのプレお披露目公演「WEST SIDE STORY」

なんかね、観終わって最初に頭に過ぎった気持ち。

「いい作品でお披露目できて良かったな~」

でした。

ピエール、この「西側物語」は宝塚版は今まで観たことはなく、
10年前くらいに劇団四季版を一度だけ観たことがあるのと、
あとは映画版をDVDで観た程度の知識しか無くて。

どちらも結構前のことなので、あんまり細かい記憶が残ってなくて、
役名見てもどれがどういう人なのか分かるのは、
真風くんのトニー、星風さんのマリア、それから我らが芹香斗亜さんのベルナルドくらいでした。

「ロミオとジュリエット」がベースになっていると知ってはいたものの、
ロミジュリで言うどの人物が西側の誰に当たるのかもうっすらとしか分かってなくて。

なので今までのバージョンとかオリジナルとかと比較とかせず、
先入観とかも無く割りとフラットな目線で楽しめた気がします。

 

ところで皆さん、ご存知でした??

会場に過去宝塚で上演された際のポスターが飾られてたんですけどね。

こちらが初演のポスター。

これをよく見てみると……。

一番高い特別席でも500円!?

 

一番安いD席は100円ですよ!?

 

一瞬、何の間違いかと我が目を疑ってしまいました(;・∀・)

ちなみに宝塚の初演は1968年らしいのですが、
1968年っていつくらいの時代かと調べてみたんですけどね。

東京タワーができたのが1958年なのでその10年後、
「巨人の星」が放送を開始したり、ケネディ大統領が暗殺されたり、
週刊少年ジャンプが創刊したり、和田アキ子さんが歌手デビューした年だったみたいです。

この頃の物価ってこんなに違ったんですね~。

観劇前にものすごい衝撃を受けました(笑)。

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ロミジュリよりも……

ということで西側物語の感想を書かせていただきたいなと。

ロミジュリでは「敵対する家同士の男女の恋」が描かれているのに対し、
西側物語ではアメリカ人と「プエルトリコ人」の男女という設定。

よく分かってない部分も多いのですが、
プエルトリコって野球がかなり強くてWBCとかでもよく聞くので1つの国かと思っていたら、
どうやら「自治連邦区」という名のアメリカの領土みたいなポジションのようで。

貧しいプエルトリコという島からアメリカに移住してきた人への差別問題というのが、
この「ウエストサイドストーリー」のベースにあるようですね。

その辺の細かい経緯は正確に分かってはいなくても、
ロミジュリのように「対立する家同士の男女」という設定よりも、
日本人にとってはざっくり言って「人種差別」という設定の方がより馴染みやすくて分かりやすいかも知れないと思いました。

ロミジュリを観たときに感じていた、
「仲悪い家同士の対立っていったいどんだけ深刻なものなんだろう?」という漠然とした感覚が、
西側物語の「なぜトニーとマリアが許されぬ恋なのか」の方はより直感的に理解できた気がしました。

正直、今回観るまでは「ロミジュリを現代設定にしてちょっと地味になった作品」という先入観があったのですが、
実際は決してそんなことはなくて思ってたよりずっと宝塚的な作品で。
(演出や構成が宝塚オリジナル作品とは一線を画すのはもちろんありますが)

なので、個人的には「ロミジュリ」は遠い世界の夢物語というイメージなのに対し、
「ウエストサイド」はより身近(と言えるのか分かりませんが)な物語として登場人物の気持ちが理解できる作品でした。

真風トニーと星風マリア

真風くんと星風さんがトップコンビに就任と発表されたとき、
プレお披露目が「ウエストサイド」になるとは全く予想していなかったのですが。

けれど実際に観てみたら、すごくお二人に合ってる作品だなと思いました。

真風くんは比較的落ち着いた大人っぽい男役さんだと思うのですが、
ジェッツとシャークスという、危うさに満ちた若者たちの中にあって、
少しだけそこから抜け出した大人と子どもの間の存在という雰囲気がすごく合ってた気がします。

ロミジュリのロミオは精神年齢は他の仲間たちといっしょだけど性格が人一倍優しい人という印象でしたが、
トニーは精神年齢自体がちょっと上という印象なんですよね。

ちなみにピエールの観劇の前日に「岡山の奇跡」ことニコライ少尉どののお茶会に参加させていただいていたのですが、
既にご覧になっていた方のどなたかがボソッと「あんなにピュアなゆりかは久しぶりに見た」って言ったのが聞こえました(笑)。

たしかに二番手時代は結構すれた役というか酸いも甘いも分かった大人みたいな役の印象がありましたもんね。

「神々の土地」のときなんて登場するなり「あなたがなびかないのでヤケを起こしました┐(´ー`)┌」とか言ってたのに(笑)。

 

一方の星風さんもイメージ通りの役ではあったのですがそれだけに留まらず、
ただ単に恋に恋する少女というわけではなく、
それ以上に、実は愚かな争いを続ける男たちに対して一番現実を見ている大人らしさも秘めていて。

物語の中で一気に成長していくマリアと、
若くしてトップ娘役に就任してここからさらに成長していくであろう星風さんの姿にも重なっていた気がします。

「想像を超える」っていうのがぴったりなハマり役だったんじゃないかな~と。

男って馬鹿ね。

なんかこの作品って人種差別問題というシリアスなメッセージはもちろんあるんですが、
平たく浅く言ってしまうと不良たちがイキって争ってるっていうすごく身近なところに共通する側面もあって。

マリアも「喧嘩は良くない」っていうちょっと子供っぽい言い方ながらもそれが無意味な争いだと分かっていて、
和希そらさん演じるアニータもくだらない喧嘩を冷めた目で見ているのに、
男たちはまるで「こうやって戦ってるオレたちカッコイイ( ̄∀ ̄)」と信じ込んでるのがある意味すごく滑稽で。

なんかもう、

「男って馬鹿ね……( ̄∀ ̄;)」

って自分も男なんですけど思ってしまいました(笑)。

だって決闘に使う武器は何にするかを話し合ってるときに。

「棒」

とか

「石」

ですよ(笑)。

石でどうやって戦うつもりだったんだろうと……( ̄∀ ̄;)

なんかそのうち「泥」とか「羽毛」とか「猫」とか出てくるんじゃないかと思いました(笑)。

 

でもね、半分冗談で、半分真面目に感じたんですが。

ピエール、10代の頃とかは割と真面目に生きてたというか、
武勇伝として語れるようなやんちゃとかを通らずに大人になったタイプなのですよ。

なので何となくこういう無茶やってる若者ってちょっと憧れるというか、
楽しそうだな~と思いながら羨ましく見ておりました(//∀//)

もちろんこのままだと彼らのように後戻りできないところまで突き進んでしまうわけですが、
こういうやんちゃを経てどこかのタイミングで更生した人って人間に深みが出る部分もあると思いますし。

あと、差別されていたプエルトリコ人のベルナルドたちは特に、
絶対に今の日本に生きる自分たちよりも辛い環境を生きてるのは間違いないと思うんですが。

でも、ジェッツの人たちもシャークスの人たちも、
たくさんの「仲間」がいるという意味では現代の日本人よりも幸せかも知れない、とも思いました。

彼らよりも間違いなく恵まれた環境に生きてる現代日本人ですが、
彼らよりも孤独な人たちってすごいたくさんいると思うんですよね。

生活自体は苦しいけれど、
物理的にも精神的にも固く結ばれた仲間たちと毎日いっしょに過ごせる彼らって、
もしかしたら今の自分たちには無いものを持っているような気がして羨ましくなりました。

 

ということで今回はいったんここらで区切りまして、
また続きは後日書かせていただきたいなと。

とりあえずざっくり言うと「当初の期待よりずっと良かった!」という気持ちでした。

と同時に、真風くんと星風さんが、
いい作品でお披露目できて本当に良かったな~と。

観る前から思っていたことではありますが、
これが映像に残らなかったら絶対にもったいない!

本当に本当に、どうか「ガイズ&ドールズ」とか「グランドホテル」のように、
当初の心配を払拭して、時間はかかってもDVDが発売されることを願う気持ちが、
観劇前よりずっと強くなりました。

普段ピエールは基本的にBlu-rayやDVDは買わずにスカステの放送待ちで節約しているんですが、
もしこれが発売されたらスカステの放送は無いかも知れないと割り切って買いたいな~という気持ちになっております。

どうかどうか、無事に映像化できますように……!(-人-)

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